積善寺だより web版(2025.7 No45)

「天国」と「極楽」の違い

 檀徒の皆様、日頃より当寺の護持にご協力を賜りますことに心より感謝申し上げます。
 さて今年の冬は、日本海側以外は連日乾燥し、強風が続いたため、大船渡市や呉市などで大規模な山林火災が次々に発生し、甚大な被害がありました。また身 近では県内八潮市で地面の広範囲に渡る陥没が発生し、人命が奪われ、さらに上下水道に長期間影響出た為、日常生活に多大な支障を来しました。実際に小規模 な山火事や、陥没は我々の身の回りでも起きています。人災のような災害に対し、日頃からの用心や、備えが重要な時代となっています。
 さて、最近日本人は「極楽」という言葉を使わなくなったと言われています。日本人の半数以上が仏教徒であるのは自明の事実です。ところが、いわゆる死後 の世界である「極楽」を今は「天国」という人が増えたというのです。「天国」は正式にはキリスト教でいう神の国のことで、信仰と善行を重ねるにより、到達 できる永遠の救いの場です。
 一方で「極楽」というのは仏教でいう阿弥陀如来さまの浄土のことを表し、果てしなく広く、大きく満足することができ、一切の苦しみがない場所のことで す。「天国」「極楽」とも死後の世界を表します。神道では「冥界」と呼ぶそうです。詳しく話すと「天国」は聖書の中に出てくる言葉で神様から永遠に祝福を 受ける場所であり、「極楽」は全て救ってくれる場所であると言われています。
 最初の話題に戻り、日本人が死後の世界を「天国」というようになったのは、死を「天に召される」と表すように、「天国」が漠然とした「あの世」を意味しているからと考えられます。
 言葉の違いはありますが、ご先祖様や、自らが「極楽」に往生できるよう、日々生活を正しくし、平和で心安らかに暮らして行きたいものです。

新天台座主猊下がご上任されました

 第二五九世天台座主に長崎県出身の藤光賢大僧正が就任されました。前座主の大樹孝啓大僧正は百歳の高齢を理由に藤大僧正にご譲職されました。
 就任式である、上任式は二月一日に滋賀院で行われました。藤座主猊下は座主が着用する衣装の入った箱を受取り「閉塞感に覆われた現代こそ、われわれが自戒しなければいけない。より一層の精進、努力を傾けてまいりたい」と力強く述べられました。
正式な就任式である伝灯相承式は六月十日に古式に則り、執り行われ、猊下は席代天台座主の相承譜に署名されました。

昭和百年・戦後八十年平和祈念法要を行います

 今年、令和七年は元号が昭和になってから百年、終戦後八十年が経過する年です。
 節目の年にあたり、積善寺の施餓鬼、八月十四日にあわせて、「昭和百年・戦後八十年平和祈念法要」を行います。当日は檀徒各家の祖先の霊と共に、積善寺で把握している戦没者だけでも杉山で二十八人おられ、その尊い魂を供養し、恒久平和を祈念します。
今回は特別な依頼はいたしません。ただ皆様で、亡き人の魂を供養し、平和な社会実現の為に、心から祈りたいと思います。

天台宗埼玉教区托鉢に参加

 四月十九日(土)に川越市、喜多院において、天台宗埼玉教区主催の托鉢(たくはつ)が行われました。埼玉教区の杜多宗務所長をはじめ、教区役員、仏教青年会員が参加しました。
 散り際の桜を見物する人で賑わう中、住職と弟子の則田が参加し、境内で浄財を募りました。集まった募金は、主に震災や山火事の被災者に寄付されます。

天台宗埼玉教区第八部「山家会」を開催

 六月八日(日)小川町高谷の林昌院で山家会法要が開催されました。
 積善寺からは住職と弟子が参加しました。そこでは天台宗の祖、最澄様の命日にあたりその徳を偲ぶ「山家会」法要が厳かに行われました、
「山家会」と呼ぶ理由は比叡山で若き日から修行を重ねた最澄様の別称から来ています。六月に実施されるので「水無月会」とも称されます。
会場には部内寺院総出仕で厳かな経典が唱えられ、荘厳な雰囲気の本堂の中へ、梅雨晴れの日差しが空から明るく降り注いでいました。

第二十一回「座禅の会」を行います

 座禅の会も二十一回を迎え、多くの方々に参加いただいて好評です。どうぞご参加ください。
 初心者も参加できる内容で、小学生以上の子供も大歓迎です。多くの参加お待ちしています。

日 時 七月二十三日(水) 
午前六時二十分集合(厳守)
※説明の後、二十分位座禅を行います。その後法話を行い、七時三十分には解散します)
場 所  積善寺本堂
持ち物  座布団一枚 
※普通の座布団で結構です(無い場合は、用意します。)
服 装  軽装で願います
申込み 住職へ(二日前までに) 
 

見晴らしの霊園「積善寺墓地」と「合同供養墓」分譲中

 積善寺の墓地は、歴史ある古 城「杉山城址」を背後に擁し、四季折々の自然に恵まれ、墓地としては貴重な南斜面に位置し、遠望見晴らしの良い場所です。 また、参道は東西とも整備し、 天候を問わずお年寄りでも楽に墓参ができます。除草等も定期的に行っており、管理も行き届いています。価格も一区画16万円からと非常に低価格です。
 また社会的に少子高齢化が進む一方で結婚しない方、子どもを持たない方、後継者がいない家など、多様な家族があり、さらに雇用形態も様々になり、墓地を求めて石塔を建立し、親族を埋葬するだけの収入を得るのも容易ではなくなっています。
 これをを踏まえて、「合同供養墓」がございます。檀家様をはじめ、檀家様でない方等、どなたでも入ることができます。葬儀と納骨、13回忌までの遺骨安置で30万円をお納めいただきます。皆様のご親戚、お知り合い等ございましたら、ぜひご紹介ください。
直接住職までご連絡ください。


発行 住職 新井尚田 檀徒総代一同