住職近況 バックナンバ


人と会うこと外に出ることの楽しさ(2021.12)

 新 型コロナウイルスの感染者数も、かなり落ち着いてきました。緊急事態宣言も解除されてから2か月ほどが経過し、その後の感染爆発も見られないことから、紅 葉の時期もあり、近場を中心とした外出から始まり、会議や小さなイベントが少しずつ再開されて来ました。 コンサートやスポーツイベントなども収容人数が かなり緩和され、今後社会活動が回復していく兆しも見えてきました。
 拙僧も今月11月は、久しぶりに法事の数が少なく、しかも好天に恵まれたこともあり、外出する機会が増加しました。11月は毎年恒例の「竹やぶの竹切り」から始まり、枝おろしも終わりましたので近場に出かけました。
 行楽地に久しぶりに外出して気づくことは、何をするわけでもなく、何を買うわけでもないのに、普段と違う場所にいるだけで気分転換が図れ、気持ちがすっ きりするということです。僧侶であれば瞑想でも気分転換が図れるだろうというお言葉も理解できますが、やはり外出は根本的に気持ちが代わります。さらに多 くの人の中に身を置くことで、何故か自分の存在意義も確認することもできるのです。
 行楽地以外にも、種々の研修会、勉強会も一部再開され、久しぶりにお会いする人もありました。本当に懐かしく思い、コロナ禍の期間は2年ほどですが、こ んなに時間が経ったのだなと実感しました。人間はやはり動物の一種ですから外出し、人と出会い、社会活動を行うというのが通常の事ですし、それが制限され ていたということは、大変な時期だったのだと実感しました。人と会い、外に出ることの楽しさをかみしめました。
 話題は変わりますが、折しも今月11月は、天台宗にとって大きな喪失の月でもありました、瀬戸内寂聴師、そして森川座主猊下のご遷化と続き、悲しみに暮れる月でもありました。
 あと1月ほどで令和3年も終わります。来る令和4年はコロナ禍も落ち着いて、静かな年でありますよう、心より願うものです。 

「最澄と天台宗のすべて」に行ってきました(2021.11)

 去る10月22日、寒い雨の降る中、東京上野にある、東京国立博物 館で10月12日〜11月22日まで行われている「最澄と天台宗のすべて」の特別展を見に行きました。今年はわが宗祖、伝教大師最澄様がお亡くなりになっ て、1200年を迎える節目の年であり、予定された幾多のイベントも中止、凍結となる中、緊急事態宣言も解除された折もあり、感染症対策を講じながらも通 常通り一般向けに開催された唯一といって良いイベントです。当日は雨にもかかわらず、多くの人が来場していました。
 普段公開されていない、多くの仏像や仏画が展示されており、その迫力や美しさには目を見張るものがありました。特に仏像は後ろ姿を見ることはほとんどで きないので、この機会に後ろに回って拝ませていただきました。正面もさることながら、今にも動き出しそうな背中は、まさに極楽世界が実在するような素晴ら しい雰囲気を醸し出していました。
 色々な展示の中で、私が特に目を奪われたのが、書状2通です。ひとつ目は「光定戒牒」で、筆の美しさでは三筆と言われる嵯峨天皇が、最澄様の弟子である 光定が、最澄様の死後、悲願であった大乗菩薩戒を比叡山で受けたことを記したもので、天皇直筆の書の美しさのみならず、現在の日本仏教の礎となり、日本仏 教の母山と言われる、比叡山で大乗菩薩戒を授けることが可能になったという、素晴らしい事実を伝えた書状に感動を覚えました。
 2つ目は尺牘(久隔帖)と呼ばれ、最澄様直筆
で最古といわれる書状です。最澄様が空海のもとにいた愛弟子の泰範に宛てた書状です。内容は「以前、 空海から送られた詩のなかに知らない書物の名があるので、その内容を空海に聞いて知らせてほしい」というものです。この書状は、最澄様と空海との親しい交 わりを示すと共に、年下の空海にも礼を尽くす、最澄の真摯な人柄と恭謙な心情をうかがわせるものです。実際の字も真面目で誠実な最澄様のお姿を想像される もので、1200年以上の時空を超えて目にすることができたことに、ただ心を打たれるばかりでした。
 今後、コロナ禍がどう進んで行くか、予想もつきませんが、我が祖伝教大師様の意思をきちんと受け継いで、今後も精進して参りたいと思います。  

いのちの時間(2021.9)

 人生百年時代。一億総活躍時代。世代を超えて人々が輝く新時代、令 和。などと色々なセリフが飛び交っていますが、これらは全て少子高齢化が進み労働力人口が不足した事について、政治家や役人が挽回しようと旗を振っている 言葉なのです。その昔はある程度の歳になると「隠居」といって第一線から退き、若い世代に道を譲ると同時に、自らがやりたかった、或いはやり残した事を黙 々と続けていくのが一般的でした。
 この世からいなくなる直前まで、経済活動・社会活動ときっちり縁を結び、働き続けることについて、それを幸せと思い疑わない人には、私は何も口を差し挟 むつもりはありません。それ自体もまた素晴らしい事であるからです。しかしながら、色々な事情で年金や貯蓄等の支えがなく、一生望まないのに働き続ける状 況であれば、それは幸せとは言えないと思います。
 特に、サラリーマンは、単純に言えば上司、顧客から様々な指示・命令を受け、それに従って行動することによって、対価が得られる働き方だと思います。時 には理不尽な指示により、自分の心が痛み、不本意な思いであるのなら、人生の「質」は下がってしまうのではないでしょうか。
 先日敬老の日でしたが、日本人の約3人に1人が高齢者になったと報道されていました。私も五十路を過ぎて、サラリーマンの中では高年齢となりました。歳 を重ねるとともに、他人の考えや、命令に従うことが非常に難儀になってきました。心は素直なのですが、気持ちと体がついていかない状況でございます。
 私が、お葬儀や法事で時々話す法話のひとつに、次のようなものがあります。

 〜 どんな人でも生きていた時間は「いのちの時間」であり、それはその人が生きた証です。その時間があったと振り返るのは、その人と過ごし、残された人 々の務めであり、毎日で無くてもその人の人生を思い出すことが、その人を供養することになるのです。それと同時に自分の「いのちの時間」を大切にすること により、人々に優しく接することができ、生きやすい社会が形成され、お釈迦様が目指した「平和な国」ができるのではないでしょうか。〜

 私自身も、すぐに仕事を辞めることはできませんが、今後自分の「いのちの時間」をどう過ごしていくか、ゆっくりと考えて行きたいと思います。


コロナワクチン接種体験と農村の景観(2021.8)

 夏も少しずつ終わりを迎えつつありますが、読者の皆様いか がお過ごしでしょうか?新型コロナウイルスの禍も、もう少しで2年経過しようとしています。色々な行事が延期・中止となり、一部細々と続けられて来た伝統 行事については、継承の難しさから復活できないものもあるとやらで、悲しいかぎりてす。
 さて、副反応で話題が持ち切りのコロナワクチンですが、実は7月7日と30日に計2回接種しました。種類はファイザーです。1回目は接種した後に左腕が 多少腫れて、痛みが出ましたが、目立った症状はありませんでした。2回目も、これまた肩透かしのようで痛み以外の症状は当初ありませんでした。しかし、1 週間程経過した後、丸2日、原因不明の吐き気、下痢に見舞われました。これは副反応だったのでしょうか。それとも不摂生だったのかな?
 話は変わり、拙僧は自然の中で暮らしておりますが、実は手つかずの自然以外の「暮らしの中の自然」には2種類あります。まず、「@元からあるものをコン トロールする自然」と「A造られた自然です」。@は竹やぶや雑木林などです。これらを保つには、伸びすぎたり、生えすぎたりしないようにコントロールしま す。斜面の草刈りや、落ち葉掃きも、かかせない手入れです。実に規模が大きく、重労働で時には危険を伴う作業が必要です。Aは庭木、垣根、花壇等で、すぐ に草や、病気、害虫に侵されてしまいます。剪定や薬品散布、草むしりが、一定のサイクルで欠かせません。@もAも、その手入れは大変な作業です。
 ここ数年、お寺の周りでは「荒れ地」が増え始めてきました。田んぼや畑、里山の一部であった場所が放置されて、笹薮や、葛のツルが絡みつき、殺風景な場 所となっています。極端な話ですが、丸1年放置すればあっという間に「のび放題」になってしまいます。その自然は人間がコントロールしたものでも、造った ものでもなく、放置された「暮らしの中の自然」です。
 放置された「暮らしの中の自然」は、原生林に代表される、生存競争の結果で作り上げられた手つかずの自然と違います。容易には制御不能となり、我先に と、草木の枝葉が一斉に伸び出すので、景観も良くないし、住居のそばでの共存にも無理があります。害虫や外来植物の温床ともなります。何よりも見た目が良 くなく、住んでいる人々の幸福度が下がります。
 農業の後継者が無くなり、耕作放棄地が増えて、昔ながらの農村風景が少しずつ変わりつつあります。コロナで失われる伝統行事・文化と同列には考えられま せんが、昔からあるものを残し、守る心がけ、つまり少しの努力の積み重ねで、農村の景観を守っていただきたいものです。私も地道に少しずつ、汗を流しなが ら、苦労しても、山寺の景観の維持に精を出します。

「止め癖」はよくないですよ(2021.7)

 皆様、梅雨明けからの猛暑でお疲れの方も多いと思いますが、お体をいたわりご活躍のことと拝察いたします。
 さて、耳にタコができるほど聞いていると思いますが、新型コロナウイルス感染症のまん延により、東京オリンピックは無観客となりました。そもそも無観客 での開催の意味が問われている大会でありますが、誰が得をしている行事なのでしょうか。開催の意味が全くわかりません。私は特に賛成でも、反対でもありま せんが、開催の理由の説明がなさすぎて疑問が解けない今日この頃でございます。
 コロナ禍で、日本経済は深刻な打撃を受け、また昨年来の政府の、主に飲食業に対しての補助金等の緊急出動により、税収は激減、支出は増大しています。税 収の減少は、実際は1年度遅れて影響が出てきますので、実際には令和4年度の予算編成時に影響があると思います。じわりじわりと不況の影が忍び寄っている かもしれません。
 経済活動は業種にもよりますが、停滞を余儀なくされていて、とくに旅客、観光、舞台、芸術、宿泊、飲食は軒並み売上が激減しています。私が学生の頃から の就職人気ランキングの上位は航空会社や旅行会社でしたが、これら花形業界が傾いているのは、ただ溜息という感じです。私の勤め先である市役所も、今のと ころは大きな給料のマイナスはありませんが、東日本大震災の時のような特例減額という給与の減額が行われる可能性はかなり高いと思います。コロナ不況との 関連の有無は定かではありませんが、景気が下がった中で、最低賃金は大幅に上がりました。一方でコンビニやファミレスでレジの自動化が進んでいます。賃金 は上がりますが、無人化の進展により職を失う人も、もしかしたら増えていくのではないでしょうか。少し不安です。
 最後に、題名にもありますように、これら景気の低迷を打破するのは、色々なイベント、お祭り、行事が少しでも早い時期に、再開されることです。とくに 65歳以上の方はワクチン接種を完了したと思います。いままで単に「コロナだから」と1つの理由から中止されていたイベントをぜひとも再開し、社会に活気 を取り戻させてもらいたいものです。中止や、止めることが正義のような世の中になってます。「止め癖」はとても良くない。1日も早く活気づく街となり、人 々に笑顔が戻りますように…。


チャドクガにやられました(2021.6)

 当サイトのご愛読者の皆様、梅雨入りいたしました。ムシムシと長い梅雨の始まりです。今年は日照と雨のバランスが良く、庭木の枝も、庭の草も伸び放題です。草刈りや、草むしり、庭木の剪定など、梅雨入り前の大仕事を終わらせねばとてんてこ舞いでした。
 梅雨入りの前週も、夏日を記録して、汗だくで庭木の剪定や、草取りをしていました。長袖、長ズボンは当たり前ですが、手袋と腕カバーは欠かしたことがありません。昨年蜂に刺された時も腕は完全にカバーされていました。でも手袋の上からさされた苦い思い出があります。
 さて、梅雨前のツバキの剪定をしようかと、ツバキの木を見ますといくつかの葉にビッシリとチャドクガがついていました。これはと思って、殺虫剤を撒いたり、剪定して処分したりして、チャドクガとはサヨナラしたつもりでした。
 チャドクガと、剪定枝を処分して手袋と腕カバーを外して、水分補給&休憩とあいなりました。しばらく休んで、手袋、腕カバーを再度着けますと、なにか腕 に違和感があり、慌てて外しました。簡単にいうと、鋭いかゆみのようなものがありました。見た目何も虫がいないので、軽く、はたくような動作をしたのち、 再び作業に入り、その日はそのまま終わりました。
 翌々日位になり、寝ているとかゆみが中途半端でなくなりました。すごくかゆいので思わずかいてしまいました。一番ひどかったのは左手の手首でかいた痕か ら浸出液が止まらず、3センチほどの赤いクレーターのようなものが、2箇所できてしまいました。その後、心配になり、かかりつけの皮膚科に向かいました が、あいにく休診なので、初めての皮膚科にいきました。これがまちがいでした。 初めて行く皮膚科はかかりつけ医とは違い、とても空いていました。待つこ となく診察が終わり、薬をもらって帰り、その薬をつけて寝ました。
 翌日起きると、私の左手首のクレーターは、さらに赤くはれ、また顔つきも狂暴になってしまったのです。かゆみや熱も加わり、ひどいことになりました。しかも休日だっだので、どの医者も休みで悶々と1日を過ごすことになりました。(泣)
 苦しんだ翌日、かかりつけ医に行きまして、飲み薬とさらに別の塗り薬をもらいました。それを服用したりしましたが、やはり3日程度は落ち着くまでには要し、刺されてから10日ほど経った今でも、まだ赤味は引きません。
 完治までには、2、3週間かかるという、チャドクガの被害ですが、去年の蜂といい、毎年の苦しみ。もう年齢もありますし、虫刺されや植物の毒には細心の注意を払い、全ての作業が終わるまで、衣服をとらないようにしたいと思います。おそるべしチャドクガ。


久しぶりのゴールデンウイーク(GW)(2011.5)

 皆さまお元気でしょうか。緊急事態宣言、まん延防止措置も継続されており、さらなる延長も報じられていますが、コロナ疲れではございませんか。東京オリ ンピックの「中止論」もチラホラ出てまいりました。先行きの見えない今日この頃ですが、落ち着いてゆっくりと進んで参りましょう。
 さて、私はお寺の僧侶をしております。お正月やお盆に比べてGWは比較的時間に余裕がありますが、毎年他寺のお祭り、イベントが2〜3日は入り、連休で はなくなるのが通例でした。しかしながら今年は、コロナでイベント等が全て中止となったので、一件の法事以外は休むことができ、久しぶりのGWとなりまし た。
 こよみで申しますと、今年は5月1日から5連休でした。1日目は一人暮らしをしている娘が、戻って来たので、家族で裏庭でバーベキューをしました。比較 的天気が良く、11時頃から2時頃まで長々とバーベキューを楽しみました。次の2日は唯一の法事でした。東京からの檀家さんで、連休の関越の渋滞に巻き込 まれて1時間遅れの到着でした。ところが実はこの「遅れ」が幸いしたのでした。なぜなら、その1時間の間にこの時期には珍しく、「雹ひょう」が降ったので す。とてもびっくり。5月の初夏の日差しが一転、氷の粒が空から降ってまいりました。今回の法事は若くて亡くなられた方の一周忌なので、その方が「サプラ イズ」を仕掛けたのではと法事の際に話が出ました。
 3日は、姉夫婦が来ました。盆と正月はゆっくり話ができないので、久しぶりにゆっくりと話すことができました。4日はほぼ1日、庭木を電動トリマーで刈 り込みました。今回は予備のバッテリーも購入しましたので、電池切れを気にすることもなく、安心してゆっくりと刈り込みができました。最終日の5日は、ほ とんど結婚式以来きちんと会っていなかった、妻の母親と義姉と会うため、妻の実家に行きました。本当に久しぶりでしたが、元気そうで安心しました。
 コロナでの禍はありますが、コロナでできた時間で今年は色々な事ができました。来年以降、社会活動が再開した場合はこれほどまでの休みはとれないと思います。コロナがもたらした余裕とはいうのもあるのだなと実感し、頑張らずに頑張って行こうと思いました。

花咲く・花散る(2021.4)

 50歳を超えてから、平均寿命までだとあと30年位。とすると1年に一度しか咲かない花、とくに桜を見るのはあと30回位だと思い、数年前から4月前後には、有名な桜を見に出かけています。桜だけでなく、色々な花を見にも行っています。花を眺めると心が安らぐのです。
 近年、毎年のように「今年は桜が早いです」との声が聞かれます。温暖化のせいでしょうか。色々な花が一気に咲いてしまって、見頃が一度に終わってしまう ようです。例外なく、今年も花は早く、お彼岸中に秩父は荒川のしだれ桜の名所の寺院を何か所かめぐりました。しだれ桜は独特の雰囲気があり、その荘厳さは 素晴らしいものです。しばし見とれてしまいました。幸運にも人出も空いていましたので、ゆっくりと見ることができました。
 また、桜とは違いますが、かねてより見てみたいと思っていた、ひたち海浜公園の「ネモフィラ」も見ることができました。積善寺からですと、およそ200 qほどあります。往路は圏央道を使いましたが、栃木、茨城の区間が対面通行なので、思いのほか時間がかかりました。6時半頃に出発しましたが、8時半過ぎ に到着となり、駐車場が少々混雑していました。平日なのにこんなに混んでいるのですから、休日、ましてや連休に至ってはと思うと冷や汗が出ました。
 さて、報道写真でよく目にする「ネモフイラ」ですが、一面の青は絶景です。菜の花の黄色や海の青ともマッチして、極楽世界に行ったようでした。お客さん の込み具合もますまずで、ゆっくり見ることができました。帰りがけには、海産市場にも立ち寄り、鮮度の良い、魚をたくさん買うことができました。最初1尾 1000円だったお刺身が、最後には3尾1000円になっていました。とにかく安い。しかしよくよく訳を聞くと、コロナで料理屋さんが店を閉めているの で、一度切り身にすると、もう売るしかないそうです。コロナの影響はここにまで及んでいたのかと思うと心が少し痛みました。
 なにはともあれ、今年も沢山の桜、花を見ることができました。コロナ禍はいつ終焉するかわかりませんが、張り切り過ぎず、引っ込み過ぎず、前を向いて歩いていこうと思います。

色々な節目の年(2021.3)

 当ホームページをご愛読の皆様お元気ですか。やっと春が来て、桜もほころび、緊急事態宣言も解除されました。少しだけ心がゆったりと安らぐような気分になりました。
 今年は東日本大震災から10年目です。多くの命が失われた大災害から早くも10年が経過しました。5年前の震災後5年目の時ほど、各報道機関が一斉に特 集番組を組まないのは良いことだと個人的には思います。なぜなら家族や身近な人を失った方々においては、何年経っても悲しみや心の痛みは消えないからで す。私も大切な家族を失ってから、人の死を連想させるようなテレビ番組を見ると、心の痛みがよみがえります。競うように震災の映像を流すのは、遺族の方に とっては、大きな衝撃になると思うのです。その点、今年の各報道の対応は良かったと思っています。関係された方々も心安らかに過ごせたものと思います。
 また、話は少し変わりますが、最近の時代劇やドラマの演出は、「どなり声」や「大声」を度々用いるのがとても気になります。特に食事をしながら、ゆっく りと映像を見ているときに、どなり声のシーンになると、落ち着いていられなくなります。演出で武将の凄みを出したり、ヒロインの熱い思いを伝えたかったり するのに、大きな声を用いるのだと思いますが、個人的にはいかがなものかと思います。なぜなら、家族や子どもの前で大声を出したり、ケンカをしたりするの は、今ではDVにあたるとされているからです。もう少し穏やかな演出が良いと思います。
 色々書き連ねましたが、3月、4月と卒業や入社の節目の時期です。残念ながらコロナで歓送迎会はなくなりましたが、それぞれに新たなスタートをしっかりと迎え、進んでいってもらいたいと思います。

いろ鳥鳥(とりどり)(2021.2)

 皆さま、お寒うございます。2月に入ってからも寒い日が続きます。1月の気温で言いますと、平均気温が昨年は6.4℃、今年は4.1℃と2度以上低く、 また降水量は昨年が74mm、今年は25mmと3分の1になってます。乾燥して寒い、まさに「底冷え」の状態でございます。拙僧も寄る年波には勝てず、寒 さに震える今日この頃でございます。
 さて、冬の寒さの中で、タヌキやノウサギなどが身を潜めて、姿を見なくなって久しいのですが、極寒の中でも活動的に動き回っているのが「野鳥」です。カ ラスやスズメ、ハト、ヒヨドリなど毎日のように目にします。日本野鳥の会のホームページでは、身近な野鳥ということで、25種類が紹介されています。また 日本に生息する鳥類は500種以上と言われています。
 私はバードウォッチャーではありませんが、時々屋外を見るに、野鳥を注視することがあります。飛んでいる時はもちろん、餌を食べている時や、食べた痕跡 などをよく観察しています。その中でこの寒い時に何を食べているのかと、数か月観察していました。その中でヒヨドリやシジュウカラなどの中小の野鳥に言え ることですが、晩秋から厳冬、初春にかけては…柿などの果実の残り→柚子、柑橘系の果実の残り→リュウノヒゲ、ヤブランの実→ロウバイやツバキの花の蜜→ 葉ボタンの葉。のようになっていました。食べ物が乏しくなると、ほとんど食べる部分のない実や葉などに手を出してくるのは、ものすごい生命力だと感じまし た。一方でほうれん草や大根などの畑の作物は食べないのは不思議に感じました。
 少しずつ温かくなると、鳴き声のきれいな「イカル」や「ガビチョウ」がさえずり出します。その姿も心を和ませますが、鳥たちの鳴き声は、作業で疲れた体を癒してくれるものです。もう少しで春本番になります。今年の春も穏やかであってほしいと思いました。

コロナ禍で初めての新年(2021.1)

 読者の皆様、明けましておめでとうございます。この正月はご自宅で「ステイホーム」の方が大半だったと思います。我が家も東京に住んでいる独身の娘は、 12月に来たきりで、正月に帰郷しませんでした。親族での集まりも最小限でした。積善寺の行事も、新年初祈願は代表者のみで祈願を行い、その後その祈祷札 を取りに来てもらうような形式での開催でした。
 正月の七草が終わるのを待つように、2度目の緊急事態宣言が発出されました。旅行や食事を促していた「Go to キャンペーン」も中止となりました。一方で学校や会社は閉まっていませんし、電車、バスは動いていますから、都市の人出は変わっていないようです。
 私は今年もお正月から、例年どおり、大きな寺院で、初詣のお手伝いをしています。3蜜を避けるために回数を増やし、本堂への入場を制限しました。参拝さ れる方も、政府の要請どおり、三が日を避けたり、休日を避けたりしていただいてますので、混雑はありませんでした。その中で思ったのは、「当初想像してい たより、ご参拝に来ていただいている」ということです。当初は半減するのではと予想していましたが、混雑はありませんが、「まあまあ来ている」状態でし た。郵送で御札の送付も相当数ありましたので、実際に来ている方と合わせて、参拝数は2割減位なのではと思いました。
 コロナで外出自粛は、皆心掛けると思いますが、コロナ禍だからこそ、無病息災、疫病退散、厄除けを心から願い、仏様にすがるように初詣に訪れるのではな いかと感じました。 仏様に携わるものとして、神仏を通じて幸福を祈念する「初詣」がコロナ禍においても、安定的に続いているということは、安心し、人々に感謝するとともに、 仏様のパワーに敬服いたしました。
 来月からはワクチン接種も始まり、東京オリンピックの開催の可否も決まってくると思います。少しずつコロナ禍明けの光が見えて欲しいものです。

彼(か)の国から学んだこと(2020.12)

 4年前、衝撃と熱狂のうちに誕生したアメリカのトランプ政権は、文字通り4年で幕を閉じました。現在敗北宣言はトランプ大統領本人からは発出されていま せんが、バイデン新大統領候補は選挙人を過半数以上確保し、法律からも制度からもトランプ氏の敗北は確実なものとなりました。
 分断と敵対を生んだと言われるトランプ政権でしたが、アメリカ人の半分はトランプ氏を支持していたから、大統領になれたのだと思います。伝統的な保守 層、いわゆる昔ながらのアメリカ人、WASPに象徴される、典型的なアメリカ人はトランプ派であったと思います。振り返れば、高度成長期や強いアメリカは 保守層が作り上げた国家だったと思います。それがベトナム戦争やイラク派兵などで国家が疲弊し、日本や、いまや中国の台頭で過去のアメリカ神話は崩壊しま した。トランプ政権は古き良きアメリカを信じる人々の叫び声であったとも思います。
 一方で我が国も、古き良き時代を信じる人は高齢化し、若者は政治に無関心。こちらもある意味敵対はしていませんが、分断された社会になっています。結婚 や子育てに魅力を感じず、独身率は増加しています。子育てや教育がビジネス化してしまい、自ら学び育つという、基本がなくなってきています。そもそも学校 に行けない人、食べ物に不自由する人、身寄りの無い人、そこから色々な制度や救済措置が創設され、それが充実してきたお陰で令和の社会があるのだと思いま す。満たされた境遇になれてしまうと、本来人々の努力により授かった自らの環境が当たり前となり、それを自ら切り開いていこうとか、進んでいこうという気 持ちも少なくなってしまうのではないでしょうか。
 令和も3年となります。コロナ蔓延で世知辛い年の瀬となりました。少なくとも私の周りだけでも、穏やかで、感謝に満ちて、暖かい年末年始を迎えられるよう生きていきたいと思います。

山の寺は骨が折れます(2020.11)

 暖冬です、今年の冬は。本当に11月下旬とは思えない気温でございます。20℃前後の最高気温で推移しており、最低気温も5℃を下回ることはほとんどあ りませんでした。暖かいのは良いけれど。柚子の実がだんだん熟しすぎて、柔らかくなってきました。熟して落下している実もあります。冬至までもつかなぁ。
 さて、今年は台風も無く、気温の低下が急激でなく穏やかな為、紅葉が長い間楽しめます。GOTOキャンペーンも相まって、近県の紅葉の見どころは11月 に入ってから、毎週末混雑しています。日光のいろは坂、高尾山、奥多摩、丹沢など、身近な観光地は紅葉狩りを目的にたくさんの人々が集まっています。関越 自動車道はお寺の裏山から見えますが、嵐山小川インター付近は夕方になると上り線が大渋滞です。新型コロナウイルスの再燃を心配しておりました。
 その期待を裏切ることなく、第3波が来てしまいました。年末の忘年会、クリスマス、正月のにぎわう時期に営業制限。旅館や飲食店は疲弊していることで しょう。お寺も御多分に漏れず、初詣に影響が出ています。初詣の厄除け祈願等では、屋外での申込、御札の受け渡し、入堂制限をしている寺院も多いと聞いて います。もう1年近くまともな行事ができていません。経済だけでなく、伝統行事の衰退にもつながりかねません。早く収束してもらいたいと祈るばかりです。
 タイトルの本題に入りますが、積善寺は山の中のお寺です。ということは、先ほどの紅葉も楽しめますが、その後の落葉も中途半端ではございません。庭いっ ぱいに、じゅうたんのように木の葉が敷き詰められて、それを一気に掃除するために、文明の利器の「エンジンブロワ」を使っています。ブロワの風で木の葉を 吹き飛ばさないと、ホウキで掃くのでは石ばかり掃いてしまいます。ところが、今年はそのエンジンブロワがとうとう寿命となり、新しいブロワを購入しまし た。出費がかさんだよぉ…。これから新しいブロワが活躍します。重いので次の日筋肉痛になりますが、山のお寺の宿命です。今年もあとひと月。健康に留意し て、あと、ひと踏ん張りです。 

新たな息吹きを感じて(2020.10)

  当HPをご愛読の皆様、いかがおすごしでしょうか。9月は19日間連続の雨を記録し、湿気だらけの秋となっています。その前の8月は酷暑で、本当に厳 しい気候です。地球温暖化の影響も大いにあると思います。30〜40年前とは全く季節感が異なります。四季を感じることがあまりなくなりました。暑い、寒 い、雨、晴れの展開で中間がなくなりました。季節の移ろいゆく様が日本の特徴ですが、春や秋、薄曇りや薄晴れはあまりなくなったかなと思います。幸い台風 が今年は上陸がないので助かっています。
 さて、昨年の秋に、境内地東側に植えてある2本のしだれ桜のうち、1本が突然枯れてしまいました。春には見事に花が咲き、大きな楽しみでもあったのです が、残念でなりません。その後、しだれ桜を伐採した跡に、3月頃、しだれ梅を植えました。しかし梅もあまりうまく根付かず、枯れてしまいました。そこでそ の近くにしだれ桃を植えました。当初はすくすくと育っていましたが、夏の酷暑で枯れてしまいました。
 枯れた原因等を色々調べてみますと、土をよく耕さずに植えてしまった事や、梅、桃ともに、花がきれいに咲いている大き目の苗を購入したので、植え替えに より苗が疲れてしまい、かれてしまったのではと考えました。そこで葉っぱのついている小さ目の苗を秋口に植える方法に変えました。今度はよく耕して、根が 張れるようにし、風通しや日当たりも考えて植えました。しだれ梅、しだれ桃の両方で再チャレンジです。
 来年の春には小さくても良いので、花を咲かせてほしいです。そしてゆくゆくは、大きく咲き誇り、時期には目を楽しませてもらいたいと思っています。私も だんだん若くなくなります。私が老いた後に新たな息吹を感じさせ、「老人と花」のような心和むひと時をこの桃と梅に作ってもらいたいものです。小さく期待 しています。こんどは枯れないでね。

自然の治癒力と要らない力(2020.9)

 皆様お元気でしょうか。「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、日中はもとより朝晩がしのぎやすい気候になってまいりました。年齢のせいか、酷暑続きの今年の夏は本当に体が堪えました。やれやれほっとしております。
 さて、7月中の長雨、そしてそれに続き8月は記録的な猛暑となり、庭木はなんとか水やりで持ちこたえましたが、水やりまで手が回らない「オシロイバナ」 や「トレニア」「シュウカイドウ」等の広範囲の草花は、しなびているか、ひん曲がったりして、もはやノックアウトされた負けボクサーのようになっていまし た。
 ところが9月に入ってからの適度な日照りと雨のおかげで、信じられないくらいに普通に咲くようになりました。まるで厳しい環境が嘘のようです。自然が持つ治癒力のおかげでしょうか。とても感動しました。自然はやっぱり素晴らしい。
 一方で、暑い日々が続いたため、知り合いの造園業の方も語っていましたが、今年はなにより「害虫」が多いです。例を挙げますと、しだれ桜に「モンクロ シャチホコ」という毛虫が大量に付き、葉っぱを半分以上食べてしまいました。また良く茂ったミニトマトには「メンガタスズメ」という巨大な黄色いイモ虫が 5匹位ついて、背中に寒気が走りました(興味のある人はネットで検索してください。ビビります)。また青じそ、赤しそ等の柔らかい葉には「ヨトウムシ」が 大量に発生し、イヤになるほどでした。これらすべては薬剤等で駆除しましたが、暑さの為の大発生だということは疑う余地もありません。私には不要な自然の 力です。
 近年、自然災害も増えていますが、身近なところでも自然の力を見せつけられています。災害を上手くかわして、自然の恵みを享受する。生きる知恵を、先輩方をはじめ、色々な人から教わって、受け継いで行きたいと思います。

ジメジメの後はカラカラで猛暑(2020.8)

 当サイトを愛読の皆様、お暑うございます。先月ジメジメという近況を書きましたが、今度はカラカラの日々でございます。8月2日にお葬儀を執り行いまし たが、その後毎日暑くて、私の住む嵐山町の隣、鳩山町では猛暑日が今月は今日(8月26日)までで19日を数えているそうです。なにしろ、我が嵐山町は「熱いぞ!熊谷」 の熊谷市と、先の鳩山町に挟まれていますので、暑さには事欠きません。嫌ですが仕方ありません。
 過去のデータを見ますと、今月の気温は平均29.6℃で、観測史上トップ。雨の少なさはここ5年間で最少。ご愛読の方ならよくお分かりかと思いますが、 とにかく、毎日、水やりです。ここ20日以上、毎日1時間以上庭に立ち尽くして、ホースで水やり。お陰で日に焼けました。夕方の時間が暗くなるまで全く使 うことかができません。用が足らずに水やり以外は「放置」状態です。
 ニュースでは相変わらず、新型コロナウイルス感染症の感染者数の話が続いていますが、冷静に考えると、コロナで亡くなった方より、熱中症で亡くなった方 の方が多いことに気づきます。特に今年は全国的に猛暑なので、お年寄りで亡くなる方が多いようです。冷房が入り始めた時代は、「クーラーは体に悪い」とい うことが囁かれていました。今はAIでマイルドな風が送られてきますので、エアコンは体の安全はもちろん、お財布にも優しいのです。確かにお盆の棚経に、 高齢者のお宅にお邪魔しますと、エアコンがかかっていない家がほとんどです。この猛暑は命にかかわりますので、ぜひエアコンをつけてもらいたいです。
 あと少しで9月です。気が付けばあと今年も3分の1。体調に気を付けて、サラリーマンに、お寺に精を出していきたいと思います。

雨と湿気とカビの中で(2020.7)

 当サイトを愛読の皆様方、うっとうしい雨が続く毎日です。色々な植木や草花の水やりは、今年はここひと月ほとんどしていませんが、半面、裏山や墓地の斜 面に生える雑草の成長がとても旺盛で、草刈りに時間を非常に取られています。また涼しくて寝苦しくないのは良いのですが、湿気の為カビがあちこちに蔓延し て、衛生面で困った現象が続いています。
 今回は夏、そして冬に時々見られる積善寺お得意の「気象ネタ」の出番となりますが、今年6月30日から7月15日まで、東京で連続16日の降雨新記録を 更新したそうです。さらに6月25日から1か月間の日照時間の平年比は東京では52%、また、同期間の「降水量」の平年比は、東京では159%となってい るそうです。熊谷気象台の令和2年4〜7月期の降水量合計は、768mmで、昨年度556.5mm、一昨年364.5mm。日照時間の月合計値は同42. 1時間、昨年80.6時間、一昨年214.5時間と、雨が多く日が照らない状況は数値からも歴然としています。
 じめじめしていても、室内はエアコンで湿気が除けますが、エアコンの無い部屋や、本堂では湿気が充満しています。最近気が付いたのですが、ホームセン ターで販売しているような、カラーボックスや簡易家具は表面に青カビが発生する傾向にあります。理由は合板を多用している為、その合板が湿気を吸いやすい からだそうです。天然の一枚板を使用している通常の家具は、ほとんどカビが出ません。便利なものには欠点があるという事が分かります。
 また冒頭でも少し書きましたが、雑草の伸びがとても速く、草刈りをするのにも骨が折れます。とくに竹やぶや雑木林の下草の伸びが速いのが今年の特徴で す。例年であれば、竹や雑木に雨が遮られて下草が発芽、成長できるほどの水分が供給されないと想像されますが、今年のように雨が多いと、色々な種子が一斉 に発芽し、青々と葉を茂らせています。下草刈りは竹や、雑木を避けて刈り払い機を操作するので、斜面で複雑な動きを長時間しなくてはならず、五十歳過ぎの 身体にはとても堪えます。次の日は全身筋肉痛になります。筋肉痛で筋肉がついて締まったボディになればよいのですが、痛いだけでオジサン体型は変わりませ ん。なぜかムナシイ。
 色々書きましたが、あと半月ほどでお盆です。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、お盆の法要に入場できる人数を、できるだけ制限する為、静かな施 餓鬼法要となりそうです。積善寺400年の歴史でも、感染症の影響が出た施餓鬼法要はあったのか不明ですが、昭和以降は初めてだと聞いています。色々なも のが、少しずつ平穏になっていくように、心から祈ります。

蜂に刺された後の経過について(2020.6)

 当ホームページの愛読者の方々、お元気でしょうか。コロナ関連の緊急事態宣言も解除され、県をまたいでの外出の自粛も終わりました。「さてこれから!」 という時になんと「蜂・ハチ」にさされてしまいました。我が国に蜂刺されの人はかなり多いようで、痛みと腫れの中、色々なサイトを見させてもらい、症状が 治まるまでの慰めとさせて頂きました。そこで、その御恩返しに私自身の刺された後の経過をお伝えします。腫れはいつまで?痛みはいつまで?等不安は誰でも ございます。

●蜂に刺された当日(夏至の日・6月21日)
 午後7時頃、薄暗い中、墓地のビワの木(1メートル強)を刈り込んでいたら、気づかなかったが、一番下の枝の死角にアシナガバチの巣が直径7・8センチほどの小さめで作ってあり、6匹ほどいたらしい。(刺され後、即座に巣は撤去)
 その蜂に、背抜きの手袋越しにチクりと左手甲の真ん中を刺された。さらに服の上から左腕と右腕を刺された。両腕の2か所はほぼかすり傷だが、手袋の下は かなり激痛。すぐに毒を口で吸い出して、一昨年虫刺されでもらったステロイド軟膏(アンテベート)を塗る。口で吸い出しは良くないというが、やってみた。 あまり毒が出てきている様子はない。一時間ほど経って、刺された跡が大きく蚊に刺された後のように2ミリ位盛り上がった。痛みは取れないが、あまり腫れて いないので、風呂に入り寝た。

●2日目
 朝起きたら腫れが左手全体に広がる。だんだん甲だけでなく掌にも広がってきてパンパンになった。ボクサーの小さいグローブのようだ。心配なので勤務を休 み「皮膚科」に行く。「今日は蜂刺されが多い」と先生。他の患者もあり、とても混んでいた。セレスタミン内服薬、アンテベート軟膏もらう。セレスタミン は、先生が「眠くなる」と言ったとおり、とても眠い。軟膏をつけ、昼に服薬しても腫れはどんどんひどくなる。なぜだろう。ハチ毒恐ろしや。
 夜風呂上りに水泡の大きいのが刺された跡に2個できて、破れそうなので、ガーゼと絆創膏を買ってくる。手を下げると痛い。いつになったら直るのかな。不 安。振り返ってみると2日目の夜が腫れや痛みのピークだった。痒みもひどい。だるさもあり、早めに寝る。手がパンパンで指が全く曲がらず、風呂や歯磨き・ 洗顔がとても不便。

●3日目
 朝起きたら腫れがひじの方まで広がる。水泡も破れた。手を下げるとズキズキ痛いので、胸の前に拳をおいている。夕方指が曲がるようになり腫れも引きつつ ある。痒みも治まってきて、セレスタミンの効果が感じられる。少し回復の気配だが、全快までには程遠い感じ。手の甲と掌の腫れはひどい。セレスタミンは相 変わらず眠い。家に帰って指が曲がるようになる。ただグーはまだできない。だるさは続いている。

●4日目
 朝起きたら指の晴れがピークの6割程度になり、だいぶ動かせるようになった。気分も少しずつ上向いてきた。患部・全身の熱っぽさは改善した。ただ、全体 にはまだ腫れている感じは残ってる。水泡から水がまだ出ているのでガーゼは外せない。セレスタミンの眠気も続いているが、多少慣れてきた。刺されてから翌 日・翌々日が腫れ・痛みがひどいという色々なHPの表現は当てはまると実感。夕方完全ではないが、グーができるようになった。同刻には手を下げても痛みを 感じなくなった。今日まで禁酒・節制でいます。

●5日目
 明け方、刺し後が痒くて無意識に掻く。起きたら腫れはほぼ引き、ピークの2割程度になった。少し腫れてるかな程度。水泡の水も出なくなり、水泡もしぼん で落ち着く。マイナス面で言えば、心拍数を上げるとズキズキ痛む。不思議なだるさは続いている(解毒に体力を使うせいか)。グーはできるが強く握ると突っ 張って痛い。痒みは全体にある。等。一応の収束となったようです。ガーゼ・包帯は取れました。

●そして一週間
 ほとんど意識しないですむようになった。ただし、時々ぶり返したように鈍いいたみと痒みがある。また刺された跡は、1センチ強の黒いシミ跡が残った。蜂 の毒は本当にしつこい。一週間後また新しい巣を見つけた。蜂は本当に生命力が旺盛だ。今後は気を付けて作業をしましょう。

●全体を振り返り
 刺され後、24時間以内に医者に行き、軟膏を塗り、ステロイドを服薬したことが、治りを早めた原因だと思う。4〜5年に一度は蜂に刺されるので、アレル ギー反応は一般の人より強い。今回はいつになく、年齢も考慮し早めに医者に行ったのが良かった。思い返すと若い頃医者に行かなかった時の方が蜂刺されの回 復に時間を要した。ただ医者に行っても1週間弱は回復までにかかると思ってよいと思う。私は蜂刺されの症状がひどく出る体質のようだとも分かった。
 私の痛さや、苦しさが皆様のお役に立てればと思います。今後も当HPをご覧ください。




涼しくて、雨が多い(2020.5)

 愛読者の皆様、こんにちは。巷ではコロナウイルスの報道が毎日のように流され、緊急事態宣言も解除されない中、若干、「お疲れ」モードに入っていると思われます。私も同様です。とにかく辛抱。それしかありません。
 さて、このご時世、お寺の供養に関しては、近頃、法事は家族数名もしくは施主のみで執り行い、その後の食事は無し。また葬儀に関しては、家族葬が主で、 会葬者をお呼びする場合でも、間隔をあけて着座し、焼香も離れて行うようになっています。法事や葬儀につきものの「引物」や「食事」がほぼ無い状況ですの で、経済的にも大きなダメージになっていると思います。また法事自体がキャンセルというのも散見され、お寺としても収入が減じている状況です。これがどの 位の期間続くのか、先行き不安な思いです。
 閑話休題。毎年、積善寺の庭の手入れにおいては、乾燥や猛暑に見舞われ、水やりを頻繁に必要とし、熱中症に気を付けながら奮闘していました。ところが今 年は、乾燥については昨年比、1月から本日(5月22日)で降水量が6割増し。気温については、同じく4月、5月は平均して1℃ほど低い状況にあります。
 涼しくて雨が多い。これは私が幼少の頃の気候に戻ったようです。その結果、お寺の庭は苔がむして、しっとりと良い雰囲気になります。コロナウイルスでス テイホームの状況の中、涼しい中で庭の手入れを行い、手入れを終えた苔むした庭を眺める。辛抱ばかりではない、ゆったりとした楽しみもあります。願わくば コロナウイルスの禍が去り、猛暑がもう少し遅く到来してもらえると有難い。叶うかどうかはいかに。これからです。


これまでにない初めての4月(2020.4)

 当HPをご愛読の皆様、いかがお過ごしでしょうか。「新型 コロナウイルス」に恐々としていることかと思います。私はこの4月に人事異動して、管理部門に異動となりました。これまで保育施設・学童保育施設を担当し ており、台風やコロナウイルスの被害の現場で、対策を最前線で行っておりましたが、その経験を基にこれからの業務にあたってまいります。心機一転臨みま す。
 ここ数カ月の話題は、テレビでもネットでも「新型コロナウイルス」一色です。とくに3月下旬からの一連の政治・経済の動きである、「オリンピックの延 期」→「アベノマスクの全国民への配布」→「緊急事態宣言の7都県への発出」→「宣言の全国への発出」→「10万円を全国民に支給」に至るまでには、感染 者数が3千人から1万1千人へ3倍増、亡くなった方は2百人に迫る勢いです。全国民から愛されていた、志村けんさんもお亡くなりになるなど、騒動や、恐怖 は国民から冷静さを失わせ、不安が募ります。これほどまでに全世界に影響のあった病気は、一世紀ほどなかったのではと思います。買占めやマスク不足は依然 として続いています。
 現在(4月下旬)では、人々の関心は10万円の給付に集まっています。失業した単身世帯では合計10万円の支給なのに、サラリーマンの4人家族では合計 40万円の支給で不公平だ、という声が出ています。また、夫婦でコロナウイルスに罹患した場合、子どもは誰が保育するのかという声も出ています。これらの 声は現在の日本の世情を如実に反映しているものです。1つは、標準的、または通常考えられる「世帯」の在り方が変わってしまったこと、そしてもう1つは、 親族や近所の助け合いといった、30年前位には当たり前にあったものが崩壊してしまったということです。
 個人主義やプライバシー保護、自由を優先する考えは、私も賛成であり、平和な世の中の象徴ですが、それが進んでいくとこのようになるという現実が今の日 本には多く見られます。その為に行政が担う役割は膨大です。併せて民間でも保育、医療、介護、職業斡旋の業種は様々な問題に直面しています。
 コロナウイルスの惨禍は、いつ終了するか、首相も「長期戦」を覚悟しているそうですが、これまでにない初めての4月。この事態を乗り切った後にはお互いが助け合い、思いやりの心を持つ、我が国に成長してもらえることを願って止みません。


コロナが止まらない(2020.3)
 
 当ホームページをご愛読の皆様、コロナウイルスにはもうこりごりでしょう。1月の終わりから騒動が続いていますが、中国の武漢から始まった感染は、いま や全世界に蔓延し、特にヨーロッパについては、イタリアの死者が中国を上回る勢いで、今や日本も欧州をはじめとする各国からの入国を規制しています。
 国内の感染も減る見通しがなく、少しずつではありますが、感染者が増加しています。封じ込めているという状態には遠いと感じています。一方で小学生から 高校生までは3月の初頭から総理大臣の判断で、長期の春休みに入らされ、自宅にも居られず、外出も控えさせられていますが、夜のスーパーや友人宅を行き来 し、お世辞にも健康的な生活が送れていません。学校は閉められていても、学童保育や幼稚園、保育園は閉めることなく子どもを預かっているので、感染の危険 性の責任を一手に押し付けられています。特に元来、学童保育は、「単純に子どもを預かる」施設なので、医療的に高級な機能や万全の体制はありません。養子 を含めて子どもを育てた経験のない、首相の安易な発言が世間を揺るがしています。
 本日(3月19日)、政府の有識者会議が、今後のイベント開催の可否や、学校の再開についての意見を発出するとのことですが、実際に聞いてみないと不明 なところはありますが、「地域により感染の度合いが違うので、それぞれ各地域で今後の対応は考えてください」となるような予感もしています。イベントの自 粛や休校が総理の「鶴の一声」で決まったのですから、それを解除するのも総理の判断以外は無いと、常人であれば考えると思います。
 また、このコロナウイルス騒動を複雑にしているのが、今年の東京オリンピック開催だと思います。総理はじめ、政府関係者、そしてIOCは「問題なく開催 できる」としていますが、あと開催まで4か月という期間や、世界各国への蔓延の度合いを考えますと、「問題」はあるのではと思います。巷では5月中のイベ ントの中止まで広報されている状況下で、果たして「完全な形での開催」ができるかは疑問です。とはいえ「オリンピック延期または中止」となると、日本経済 の受ける打撃は相当なものだと感じます。破産や倒産が続出すると思います。今の状況でも公共や、企業のイベントはもちろん、お寺関係の4〜5月のお祭り関 係も悉く中止となっていますので、積善寺も経済的な打撃を受けています。仮にオリンピックが中止・延期となると、夏まで行われるイベントは右へならえで、 開催自粛となり、日本は今まで経験したことのない状況に陥るでしょう。
 天台宗の高僧、元三大師こと慈恵大師、良源様は、今から一千百年ほど前にご活躍され、ご祈祷により市中に流行る「病魔」を退散させたと伝えられていま す。このコロナウイルスは元三大師様の功力によりぜひ鎮められていただきたいものです。なにとぞ、お願いします、お大師様!


イベント開催の難しさ(2020.2)
 
 2月に入っても、1月同様に暖かな日が続いています。昨年末にわざわざ装着したスタッドレスタイヤも用無しになってしまいそうです。降っても「雨」の天気。温暖化はさらに進みそうです。
 さて、昨年10月12日の台風第19号の襲来や、今年に入ってからの新型コロナウイルスの伝染により、お祝いの行事や、人々を集めて行うイベントが次々 に中止となっています。近いところでは東京マラソンが一般参加者の出場を取り止めました。天皇誕生日の皇居の一般参賀も中止となったようです。
 行事を行う側の主催者は、その為の準備としてたくさんの手間ひまをかけています。もちろん参加する方々も首を長くして心待ちにしている場合も多いと思い ます。台風や伝染病は避けられないものですが、危機管理とはいえ、中止に全てするのが本当に良かったのかなとも思います。確かに死者も発生した台風でお祝 いの行事は疑問ですか、新型コロナウイルスに関しては、屋内で人と人との距離が近くなることが想定される行事以外は、行ってもよいのではと思います。自分 で気を付けるということも大事です。自分で自分の管理ができない人が増えたから、なんでもかんでも中止となったようで残念です。
 もうすぐ卒業、そして入学など新たなスタートの時期です。卒業式も中止する学校もあるようです。体調の管理はとても重要な事ですが、思い出を胸に次のス テージに登壇ということもまた大切だと思います。私のようなおじさんになると、もう自分が出席できる卒業式はないのですから。


少しだけ他人(ひと)に優しく(2020.1)
 
 皆さま、明けましておめでとうございます。令和初の新年が明けました。今年は干支の一番目、子年でもあります。東京オリンピックも予定されています。色 々な意味で新たな始まりの年だと思います。年齢問わず、新たなチャレンジに向けて一歩を踏み出してはいかがでしょうか。今年の正月は特に当寺の周辺では暖 かく、穏やかな天候でございました。初詣や親戚回りにも差支えが全くないほどの良い天気でございました。本当に風もあまり吹かずに、春のような天気でし た。驚きました。こんな正月はあまり経験したことがありません。温暖化の影響かも知れません。
 さて拙僧は公務員、積善寺・普賢寺住職、他寺への助勢など、多忙を極めています。自分の時間もあまりとることができずに、趣味もままならない状況です。 年末から正月は他寺への助勢、春彼岸から、秋彼岸までは自分が住職を務める寺の管理や法事、葬儀、平日の昼間は公務員でありますので、体が空く時がほぼな い状態です。
 子育て中の若いころは、子どもの学費等の費用がかさむ為に、義務的に強制的に「やらされ感」の中でキリキリとこれらの日常を送っていましたが、子ども二 人が社会人となり、気持ちの重りがとれたせいか、最近心はリラックスしながら、日常をこなせるようになりました。心がリラックスすると、色々な事が目に入 るようになりました。例えば、お年寄りや子どもなど困っている人を目にすると、助けてあげよう、手伝ってあげようと思うようになりました。自動車を運転し ているときは、譲り合いの精神で、「お先にどうぞ」と道を譲ってあげたり。などなど。
 仏教では、不満や怒りのようなマイナスの感情も「諸行無常」ということで、いつかは移り行くものであり、その感情に囚われないことが悟りに近づくと説い ていますが、まさに長い期間をかけて、五十代になった今それを実感しています。ただ、言葉ではわかっていても、それを体感しなければ、自分のものにならな いとも思います。経験が一番の宝なのだとも思います。
 今まで、忙しい人生を送ってきましたが、これからはじまる令和の時代からは、私は少しだけ、他人に優しく、気負わずに頑張らずに生きていこうと思いま す。応援よろしくお願いします。また忙しい人は、時々当HPをご覧いただき、メールください。癒しのことばを差し上げます。


猫は炬燵で…(2019.12)
 
 今年も残すところ、あと10日あまりとなりました。新元号の令和となって半年強、月日の流れの速さにはただ驚かされるばかりです。ついこの間、正月かと 思ったら、もう年末です。令和初めての新年を迎える瞬間がカウントダウンされてきました。間もなく冬至が来ます。ゆず湯につかって心身ともにリフレッシュ する風物詩が近づいてきました。今年は暖かい気候なので、積善寺のゆずは熟しすぎてしまい、12月はじめの収穫時にはやわらかくなっていました。ジュー シーといえば聞こえはよいのですが、キリっとした酸味に欠けるような気がします。やはり寒いときは寒くないとね。
 積善寺を取り囲む、クヌギ、ナラの雑木林もまだ紅葉の葉をたっぷりと付けており、紅葉が年を越してしまいそうな勢いです。銀杏の木に至ってはほとんど落葉していません。温暖化は実感できます。おそらく、はっきりと氷結していないのではないでしょうか。暖冬ですね。
 今年52歳になりまして、来年53歳です。だんだんと年齢を感じるようになりました。とくに冬は暖冬でも体にこたえます。年寄りになるとあまり寝なくて 済むという事をその昔耳にしたことがありますが、タバコは止めて、酒は週半分に控えたところ、睡眠が正常に戻ったのでしょうか。とにかく眠くて夜はすぐに 睡眠に落ち、朝も布団から出難い。「どれだけ寝るのかよ」と聞きたくなるくらい意に反して眠いのが今日この頃です。数年前は朝日とともに目覚めて、夜いろ いろな事務をしてもまだ昼間は余裕がありましたが、今では睡眠時間が少ないと、昼ウトウトしてしまいそうです。いろいろなものに弱くなりました。
 でも体が無理ができないとわかると、自然と自分の体をいたわります。同時に他人にも優しくできるようで、自分なりに良い効果が出てると思うようになりま した。若さに任せていたころは、ガンガン、バリバリで他人にも無理を言っていましたが、自分のできる範囲が狭まると他人にも思いやれるようになりました。
 寒い季節は、最近は無理をせず、しかしやることはきちんとこなしつつ、「猫は炬燵で丸くなる」心境です。もうじき大晦日・正月です。穏やかな1年であったことに、心から感謝し、来年の幸福を祈ります。


ほっと一息 秋の日々(2019.11)
 
 台風第19号やその前後に、積善寺も台風の被害に見舞われました。大きな影響は無かったものの、周囲の山の表土は深く削られ、地面のあちこちに不要な凹 凸ができたり、駐車場や通路の砂利が丸ごと流されたりして、土日を利用しての補修に励みました。本来であれば、土日は法事と掃除に充てられるのですが、私 の勤務している自治体は台風の被害が大きく、毎週末ごとに交代で出勤しておりましたので、自分の寺の対応が遅れてしまいました。
 台風で水が運ばれ、また10月、11月にしては気温が高かった為、普段は生えない草も生えてきてしまいました。草むしり、除草剤撒きも念入りに行いまし た。一方で水分が豊富なので、至る所でコケが繁殖し、思いがけず苔むした風情のある庭となっています。この時期は、蚊・ブヨなどの害虫もなく、また涼しい ので、汗を多くかくこともなく、非常に作業がはかどり、同時に気持ちの良いものです。積善寺は高台にあるので、遠くまで見通す秋の景色も心を和ませます。
 平日は公務員。休日は住職と他寺への手伝いで手一杯です。多忙にかまけて、普段注意して見ていない何気ない景色も、あらためて見てみると、心を和ませま す。住職になって18年。少しずつ手を入れてきた建物や庭、外回りがだんだん形になってきました。妻と軒下でお茶を飲み、ほっと一息。積善寺の秋…。今年 もあとひと月あまりです。


猛烈な台風と 身体の洗濯(2019.10)
 
 10月12日に関東地方に上陸した、台風第19号は東日本の各地に大きな被害をもたらしました。拙僧が奉職している市役所でも、河川の堤防の決壊が複数 個所で起こり、ここ数十年来経験したことのない大災害となりました。12日の早朝より出勤して、担当する施設の安全状況の調査、見回りなどを行い、次々に 入ってくるに対応しているうちに、あっという間に夕方になりました。雨はますます強くなる一方なので、数人を残して一旦帰宅することになりました。午 後6時少し前では、通勤経路の河川が氾濫しており、何度も迂回してやっと家に戻りました。
 翌朝、積善寺の下に位置するお宅から床上浸水の連絡がありました。また翌朝市役所へ出勤となり、道すがら家や道路が泥まみれになっているのを目の当たり にして、災害の大きさを実感しました。市役所では様々な情報が共有され、それぞれの担当に分かれて、被害に遭われた方々への対応に追われていました。いつ もは穏やかに流れている川も、ひとたび豪雨に見舞われると、荒れ狂う脅威になることに直面し、自然の怖さを身をもって感じました。まだ復旧には道半ばです が、早くに生活再建がかなうことを心からお祈りいたします。
 話は変わり、何年か肝臓の数値が悪かったので、一念発起して1か月強アルコールを止めてみました。最初は飲めないことに少し違和感を感じたり、眠りが浅 かったりしましたが、3週間位経過したころから、飲まないことが普通となり、あまり飲みたくなくなりました。そうしていた中、病院で血液検査を受けたとこ ろ、肝臓のすべての数値がなんと正常値になりました。お医者さん曰く、「まだ肝臓は元気なので、今後も酒を控えていきましょう」とのことでした。ほっと安 堵です。アルコールが抜けて清らかな体になって身体の洗濯となりました。令和元年で一度肝臓をリセットした気分です。今後も健康に留意して精進してまいり ます。


芸術の秋!心の洗濯(2019.9)
 
 愛読者の皆様、少し更新が遅れましたがお元気でしょうか。拙僧も暑い夏を越してやや涼しくなった今日この頃、人生百年時代の折り返しを少し超えた身ではございますが、なんとか元気で暮らしております。
 さて、今年の9月は3連休が2回続き、当寺の裏側を走る関越自動車道も朝夕の混雑が激しさを増しています。消費税増税前にレジャーを楽しんでおこうかと いう人々の心理でしょうか。休日の夕方になりますと、近所の道は嵐山・小川インターから途中下車した車で混雑してしまいます。巻き添えをくらってしまい、 少し複雑な心境です。お寺を守っている身としましては、連休となるとお彼岸前後ということもありまして、法事が必ず入ってきまして、なかなか出かけるまで にはいかないのが現実です。
 そのような中、芸術の秋ということもありまして、短い「半日」位の時間を活用しまして、「音楽」と「絵画」の鑑賞をしてまいりました。まず「音楽」です が、近所のホールであるタンゴ関係のバンドのコンサートを見る機会に恵まれました。かなり人気のあるコンサートで満席でもあり、また後方の席しか空いてお らず、アーティストの顔等の詳細は見えませんでしたが、迫力のある音と、踊りが披露され、2時間弱の時間でしたが、とても満足することができました。
 次に「絵画」ですが、春頃からずっと見てみたいと思っていた、上野の国立西洋美術館の「松方コレクション展」に行ってまいりました。モネの睡蓮をAIで の復元を試みたというのが一番の話題ですが、それ以外にもゴッホやルノワールなどのなかなか見ることのできない展示もあり、とても混雑していましたが、こ れも2時間余りの時間でしたがあっという間に過ぎ、家に戻った時に初めて足が痛いのが分かったという、惹きつけられようでございました。
 若い時は、仕事に子育てに、雑事に時間をとられ、音楽や絵画にふれようという気持ちがあまりありませんでしたが、ここ数年色々なことが一段落してまいりましたので、芸術を親しむ機会が得られました。ありがたいことです。
 この機会で「心の洗濯」を行って、次の日からリフレッシュして、また笑顔で、すみきった気持ちで進んでいきます。「芸術の秋」はもう来ています。


梅雨寒後は酷暑でお盆は台風!(2019.8)
 
 当サイトをご愛読の皆様。毎日大変お暑うございます。先月の近況では涼しくて過ごしやすいと書きましたが、一転してとんでもない状況になっています。東京では1週間連続の猛暑日で熊谷は猛暑日19日、熱帯夜22日と梅雨明け以後ほとんど毎日のようです。
気候も砂漠のようで、カラカラです。毎日水やりを1時間以上かけて行っていました。もう疲れ果てて、暑さと疲労でどう にかなりそうです。今年はお盆の前に山の日がらみの3連休がありまして、準備がかなりはかどりましたが、全ての日において猛暑日で本堂も35℃位していま すので、汗だくで息も絶え絶えというところです。室内でこんなに汗をかいたのは、ほぼはじめてかと思います。準備も半日が限界です。
 来年は東京オリンピックが開催され、チケットも売れ行きが好調ということですが、おそらく奇跡が起きない限り、来年も今年と同じような高温でしょう。暑さの苦手な私には会場での観戦は無理だと思います。観戦なさる方々、くれぐれもお体大切に願います。
 梅雨時のほどよい雨量と、強い紫外線の恩恵で「草」がお寺の周囲のいたるところで伸び放題となっています。今年は計画的に4週間かけて、一通り刈りこみ ましたが、朝7時の時点で30℃を超えています。午前6時半から開始して、10時半頃まででギブアップです。暑さが中途半端ではありません。聞くところに よりますと、7月29日〜8月4日までの1週間で熱中症で命を失った方が57人もいらっしゃるとか。まさに災害級の猛暑です。ご冥福を祈ります。と同時に 私も猛暑に配慮した作業や行動を心掛けます。
 また今回のお盆は13日を除いて、台風に見舞われました。関西ほどではありませんが、1時間に一度ずつ、滝のようなスコールが繰り返していました。わが 寺の本堂は庫裏の西側にありますが、東側に本堂が面しているお寺は、東から吹く台風の雨が吹き込み室内がびしょ濡れになりました。私ももう20年ほどお盆 の施餓鬼法要を経験していますが、お盆が毎日台風だったという記憶はありません。豪雨と湿った熱風で日本にいる気がしませんでした。暑かった〜。でも雨は うれしかったね。惠の雨です。植木たちには。
 話は少し、筋道をそれますが、先日生まれて初めて整体というところに行きました。体がとてもほぐれていい感じになりました。本当に体が整うというのが分かりました。ただお値段はそれなりにするんですね。
 お盆で、あの世からこの娑婆世界にもどった御霊は、さぞや暑さそして、台風に閉口していることでしょう。暑い中、私も汗だくで供養しました。特に棚まいりは暑くてキツかった。はやく涼しくならないかなぁ。


今年の7月の梅雨は過ごしやすいです(2019.7)

 
 当サイトをご愛読の皆様、今年は例年になくうっとうしい梅雨が続いています。7月の気温の低さも26年振りとのことです。思い起こせば26年前、市役所 に入って3年目、平成5年の夏は涼しく、確かコメ不足となり、タイ米を輸入して不足を補う事態に陥ったと記憶しています。今回も同じような気候だと思いま す。今後が心配です。
 昨年は41℃を記録した7月ですが、今年は落ち着いています。しかしながら雨が多いので、草の伸びが著しく、草刈に追われています。草刈と言っても刈払 機を使って急な斜面を刈る場面が多く、体勢を保つために足を絶えず踏ん張り、機械を振り回して草を刈り続ける動作の繰り返しです。10年位前は2時間連続 で刈り続けても、あまり疲れを感じませんでしたが、50代に入り、1時間ごとに休んで、しかも午前中だけ、3時間だけとなります。また昼食後に昼寝する と、6時頃まで目が覚めず、くたくた、へとへとの状態です。
 さらに次の日も疲れは残り、筋肉痛も2、3日続きます。寄る年波にはかないません。よくご老人に「まだ若いのに」と言われますが、52歳ですので、サラ リーマンの中では年寄りの方です。リタイヤすれば、リタイヤ年代の中では若いのですが(笑)。サラリーマンと自営業、しかも土地を管理しながらの兼業はか なりキツく、体がいつまで持つか不安です。定年まで勤められるかどうか…。
 住職を務めて20年弱。だんだんと年を経ていくこの肉体と共に、頑張らないで頑張っていきます。あと少しでお盆です。今年のお盆は涼しいといいなぁ。


車を購入しました(2019.6)

 
 拙僧は、郊外に住んでいるので公共交通機関である駅からは2qほど離れており、日常の足はもっぱら自家用車です。通勤はもちろん、買い物や外出には自動 車を使っています。他の住職もその傾向にあるかと思いますが、法衣で電車、バスを利用すると非常に目立ちますので、法事には必ずといって良いほど自動車で 赴きます。
 自動車を日常的に利用している為、自然と距離数も伸びます。また時間の節約もしたいと考え、またインターチェンジも近いので、すぐに高速を利用します。 高速料金、燃費を考えて今までは軽自動車に乗っていましたが、5年強で10万q以上走ってしまい購入店からは車の買い替えを促されます。また軽自動車も近 年は割高な為、今回の買い替えの機会には耐久性に優れ、乗り心地もよさそうな普通車に乗り換えました。
 購入したのはスズキの1000ccのSUVです。座席が高い視点なので遠くまで見渡せ、運転がしやすく、長距離を乗っても疲れにくいです。今までの軽自 動車も高い視点だったのですが、わずか排気量が300ccほど増えただけでもパワーが全く違い運転が楽です。値段も軽自動車とほとんど変わりません。燃費 も同様です。自動車の進化を体で感じました。
 せっかく普通車にしたので、アルミホイールを交換しドレスアップを図ろうと企みました。若き日のあこがれのメーカーのアルミにしようと、いくつかの候補 を上げてパーツ屋さんに注文したところ、「受注生産なので2ケ月以上、場合によっては半年かかる」と言われました。若者の自動車ばなれが叫ばれています が、自動車をドレスアップする人が少なくなった事を実感しました。上げた候補の中から一番早く納品できるアルミを選んで、現在それを装着しています。アル ミを換えるだけで印象がガラリと変わります。不思議なものです。
 早速先日、高速で長距離を走りましたが、安定感と静粛性、加速は軽自動車を上回るものです。従来は旅行の時などはレンタカーを借りていましたが、今後はその手間も発生しません。大切に長く乗っていきたいと思います。


過去最長の十連休を過ごしました(2019.5)

 
 当HPを愛読の皆様、ついに「令和」の幕開けとなりました。令和と言っても、まだなにやら違和感が抜けませんが、次第に目や耳、そして発する言葉に違和 感がなくなっていくものと思われます。ともあれ改元に伴い、今回、平成の最後から令和の初めにかけては、天皇の退位、即位に伴う儀式が連日行われた為、過 去に例がない「十連休」となり私もそれを体験しました。
 まず初日は曇天で、少し肌寒い中ですが、近所のワイナリーでお祭りがありましたので、それに出かけてきました。自動車で行ったのでワインは飲まずにワイ ン一本と食事のテイクアウトをして、家に戻り味わいつつ食べて飲んで一日を終えました。二日目は晴れ。午前中に古い和人形の片付けをしました。布と木とプ ラスチックとガラスを分別し、それぞれ梱包し、処分する準備を行いました。和人形なので人形の部分は丁重に供養も行いました。これで物置のスペースがかな り空きました。とてもうれしくて何度も空きスペースを眺めたり、雑巾がけをしました。連休中に人形の片づけが一番やりたかった事です。その後車で三十分程 の所に住んでいる、従妹に夫婦で結婚の報告。数年ぶりに会って話が弾みました。三日目は晴れ。いつもお手伝いしている県内の寺院に行って、護摩修行と法事 の助勢をしました。友引で暦が良く、新車の交通安全祈願や厄除けなど多くの参拝客が訪れていました。四日目は雨が降りましたが、職場である市役所が一日だ け開庁していましたので、管理職の為、様子を見に数時間出勤となりました。夕方からは高校時代の友達と東松山名物の「やきとり」を楽しみました。
 五日目は、やはり雨天の為、午前は本堂廊下のワックスがけを行い、天井近くに祀られているお宮や仏様を清掃しました。午後は妻と熊谷市に買物に出かけま した。駅ビルや百貨店は思ったより人がいなくてゆっくりできました。六日目は晴れで、妻の実家に行こうとしましたが、実家の家族が体調不良の為断念。実家 の近くで夫婦で買い物や食事をしました。七日目は近所のお寺のお祭りのお手伝いでした。非常に天気が良い日で午後二時頃、家に戻って来てから竹伐りや草刈 を行いました。とても汗をかきました。八日目は晴れ。三日目に行った寺院で再び手伝い。今回も暦が良かったのですが、前回と対照的に人はあまり参拝に訪れ ず、閑散としていました。夕方から降った雷雨の合間を縫って、自分の家の花壇の整備をしました。 九日目は素晴らしく晴れて、妻と避暑地で有名な○○○へ 行きました。もちろん連休なので現地は激混み。さらに早めに戻った高速でも最後の三十分位は渋滞に巻き込まれてしまいました。とはいえとても充実した連休 の五月晴れの一日となりました。そして十日目の最終日は曇天。庭の木の葉の掃除、その後昼寝で体を休めて次の日からの仕事に備えました。
 お寺は五月はどちらかといえば空いている時季です。おそらく社会人になってからこんなに長く休んだのは初めてだと思います。貴重な体験と言えばそうです が、思ったより体が休まらなかったという感想が率直な所です。ただ色々な片付けや作業はできました。全体からすればよかったと思います。今度は十五連休位 休みたいですね。休みの日も動いてしまう性格の私の為には…。十日が作業日で五日が休息日として…。(笑)


五十路の健康チェックです(2019.4)

 
 当サイトを愛読される皆様、いよいよ「平成」の時代から「令和」の時代へとバトンタッチが行われました。"うるわしき"、"よろしき"と言う意味の 「令」と"なごやかに、ともにあることを良し"とする「和」の時代です。新元号発表前は「平成最後の○○」というフレーズに食傷気味でしたが、今後は「令 和最初の○○」になるかと思うと、お腹いっぱいな気分です。ともあれ時代の転換期に立ち会えるというのは幸運であり、感慨深いものです。
 さて、昨年より五十歳代に突入した私でございますが、二月に人間ドックの結果票を受け取りました。そこに書いてあったのは「水腎症の疑い」という文字。 今まで肝臓の数値が悪かったことは度々でしたが、今度は「腎臓」ということで少し焦りました。なぜなら私の父親は泌尿器系の病気にかかり、大手術をしたこ とがあるからです。
 数日考えましたが、健康が何よりも優先だという思いで、泌尿器科を受診したところ、医師曰く「家族の病歴もありますので、精密検査を行います。CTを撮 りましょう」ということになりました。二週間後、指定された時間に放射線室に伺いました。膀胱を撮影するという事で「おしっこはガマンして来てください」 と言われていますので、早く終わらないかなという気持ちでドーナッツ状の撮影機械に潜り込むことになりました。撮影が始まり、何枚か撮った後に、「造影剤 を点滴します」と言われて点滴が始まりました。腰のあたりが少し暖かくなり、それと共におしっこもしたくなり、「早く終わらないかなぁ」と言う気持ちで久 しぶりにおしっこガマンを体験しました。
 その後レントゲンも撮り、採尿もして診察室の前で待っていると、三十分後位に呼ばれました。医師曰く「おしっこもキレイで、おしっこのルートもきちんと 流れています。腎盂が生まれつき大き目なので水腎症の所見となった思います」とのことでした。ほっと胸をなでおろしていると、「ただ大腸に憩室がありま す。不安なら他の診療科を受けて下さい」といわれました。医師から色々伺うと「ほとんどが無症状で経過観察であるが、時々炎症を起こしたりするので、憩室 がある事を認識しておいてください」とのことでした。
 また併せて、「尿酸値が高いです。数年間続いていますので、痛風の発症の恐れがあります。痛風は一度起きると頻発しますので、尿酸値を安定させる薬を今 後飲んでください」と言われました。とうとう私も「薬飲み」の仲間入りとなりました。毎日毎日薬を飲む両親を年寄り扱いしておりましたが、私も同類相憐れ むこととなりました。まあ半世紀生きたのだから仕方ないか。現在毎朝一錠ずつ飲んでおります。はい。欠かさずに。
 今年は数年ぶりに入学式まで桜の花が持ちそうです。桜吹雪の中、新入生が校門をくぐります。私、そして息子、娘も新たな社会人としての一歩を踏み出す年です。新たなスタート。今年一年、穏やかな年であってほしいと思います。


長い闇からの夜明け(2019.3)

 
 元妻の急逝から、3年余りが経ちました。身近な家族の死というものが、これ程までに人の心を暗く、深く、悲しませるものとは自分が経験するまで、恥ずか しながら知りませんでした。僧侶として多くの人の死に関わっていますが、その死というものが自分自身の身近な人の死である場合、遺族はどのような気持ちで いるのかというのが、本当に本当に身に染みて理解できました。
 「心の傷」というのがあるという事がイヤという程分かりました。心の傷は当初よりは小さくなりましたが、消えることはありません。悲しみも同様です。さ らには家族の死だけでなく、色々な不幸が私自身を襲いました。ここでは書けない程のものですが、本当にこれまでにない、どん底の時期でした。
 仏様が色々な意味で、私に試練を与えてくれたのだと思いました。40代で配偶者と死別するのは数千人に1人だそうです。悲しみに暮れる日々が数年間続きました。長い長い闇でした。凍えそうな位深い闇でした。これは経験した者でないと分かりません。本当です。
 平成最後の年となる今年、本当に仏様のめぐり合わせかと思う位の、私に合った人と縁が結べ、最近、結婚することができました。暗闇の中、ひとり歩いていたのですが、ポッと一筋の明かりが差し、足元を照らしてくれたかのようです。
 悲しみのどん底から、安堵の世界へ。色々な経験をしている私は、これで全てが「バンザイ」だとは思いません。明日は何が起きるか分からない。でも未来には 希望を持って生きることが、この世に生まれてきた者の務めだという事。これだけは身を持って体験しているので、色々な人に伝えることができます。途中から 一人で歩くことになった道。また再び二人で歩きます。冬の闇を経験した分、精進して真直ぐに未来へ進んでまいります。


平成最後の年明けと、禁煙・節酒等等(2019.1)


 当HPの愛読者の皆様、明けましておめでとうございます。テレビやラジオ、ネットでは「平成最後の…」を連呼しています。まさに今年は改元の年であり、 4月末日をもって30年余り続きました「平成」が終わります。確か平成元年は大学4年生だったと記憶しています。年末から昭和天皇の体調悪化の報道が続 き、年明けて程なく崩御され、その後平成と元号が定まったと記憶しています。あの頃は若かったなぁ。今でも気は若いんですけど。今年は10連休もありま す。何をしようかな。
 さて、30年近く吸ったタバコを止めて1年程経過しました。タバコを始めた頃は200円だったタバコ一箱の値段も、止める頃は440円にもなってしまい ました。20年ほど前、デンマークに行った時にラッキーストライクが500円だったのに度胆を抜かれましたが、日本もそれに近づいてきました。でも1年半 位前にルクセンブルクの方と交流する機会がありましたが、「日本のタバコは安い。ルクセンブルクでは1,000円もする。半額だ。」と喜んでたくさん買い 込んでいました。500円でも世界的には安いのでしょうか?。
 タバコを止めて半年くらいは、吸いたくて仕方がなく、時々頭がボーっとしていましたが、1年近く経ってからは全く吸いたくなくなり、タバコのわずかな香 りすら、鼻につくようになりました。人間変わるものですね。体調は、イライラや神経質なところがなくなり、ゆったりと考えを巡らせられるようになりまし た。ニコチンが体から抜けると、鎮静物質のアセチルコリンが脳で生産される為と言われていますが、アセチルコリンがリラックス効果を生んでいるようです。 血圧も10以上、下がりました。タバコ代の余計な出費もなくなり、メリットの方が多いようです。今となっては止められてよかったです。
 また「酒」も少しずつ控えています。最低週に2日は連続して休肝日をつくり、時には数日、1週間と空けようと心掛けています。こちらも、快眠や、頭の スッキリ、腸の安定等、メリットが多いようです。私の様に平日昼間は公務員、夜間と休日は、自分の寺の寺務や他寺への助勢など多忙な生活を送っていると、 知らず知らずのうちに、何かから解放されようとする「代償」を求めがちです。しかしその代償が、必ずしも私の身体への「ご褒美」になっていない事に最近気 づきました。もともと甘いものや、ギャンブルには全く興味がないので、他の健康障害はありませんが、色々な嗜好も、年齢と共に減らしていく必要があると感 じています。
 昨年末から雨が一滴も降っておらず、また桜の開花も3月中旬という予想です。平成最後、新元号最初の年も自然災害に見舞われそうな予感がしています。せめて体調を整えて、節目の年を過ごしていきたいと思います。


ホームページ開設15年が経ちました(2018.12)

 拙僧は平成16年より、当サイトを開設・運営しております。ホームページというサイト方式は時代の流れにと共に、次第に古い形となり、フェイスブックやブログ、ツイッター、インスタグラムと形式を変え、個人間の発受信、ソーシャルネットワーク主流に変わってきています。
 15年が経過し、当ホームページも形を変えたり、ブログを加えようかと思っているのですが、毎日更新したり、コメントを沢山いただいたりした場合の返信 を考えると、ダブルワークの身には負担となりますし、コメントを軽んじてしまうのも心苦しいと感じ実現には至っていません。
 ここ数年、ポータルサイトの運営会社が提供する無料サーバーやサイト作成支援サービスが打ち切られ、個人のホームページは数を減らしている傾向です。とはいえ、法人や団体のホームページは依然としてネット社会では健在です。
 振り返って、開設当初からの「住職近況」をずっと読んでいると、私個人も「小僧」と言う立場から「住職」へ、30歳代から50歳代へ移り変わって行く経 過で、色々な考えの変遷があった事が読み取れます。ただ、一貫して変わらない傾向は、自由がもたらす人間関係の希薄化と、「気持ちの豊かさ」や「心の安 定」よりも「物質」や「金銭」に人の価値観が変わってきたことへの注意喚起です。日本は先進国の中でも「少子高齢化社会」、「自殺者が多い社会」の傾向が 強いとされています。今まで政治や行政、そして身近なところでは教育や地域社会が見ないふりをして先送りにしてきた問題が、平成の時代が終わろうとしてい る昨今、いよいよ顕在化してきています。私も仏教を信じ、広める者として、ただ憂うだけでなく、このホームページをはじめとして、色々な場所で「心の豊か さ」「対話や笑顔の大切さ」等を人々に伝えて行こうと思います。
 今年も残すところあとわずかです。残りの日々をしっかりと、そして健康に過ごしていきたいと思います。


やけに暖かい立冬(2018.11)


 当サイトの愛読者の皆様、再びご訪問いただきまして、ありがとうございます。さて先日11月7日は立冬でした。例年、立冬の最低気温は丁度10℃位だそ うですが、今年は15℃近辺と暖かい気温の日が続いています。これも地球温暖化の表れかと感じています。通常、私は3月下旬に顆粒の除草剤を境内に撒くの ですが、その効果が6か月位続き、10月いっぱいまでは草の発生が抑えられます。しかし今年の様に11月が暖かいと、除草剤の効果が切れたところに草が生 育するのに適した気温となり、再び草が生える状況になってしまいます。その結果、今月になってからも液体の除草剤を駐車場に2回撒きました。経費+労力の 負担が多くて疲れたねえー。やはり寒い季節は寒いのがいいよね。
 そして紅葉の時季、行楽のシーズンになり、当寺の裏山の杉山城址も続日本百名城に選ばれたこともあり、毎週多くの人々で賑わっています。駐車場は嵐山町 役場のご協力により、案内板を設置したところから、当寺よりも大手入口にかなり近くにある「玉ノ岡中学校」駐車場に全ての車が誘導され、駐車しています。 当寺の前は駅から徒歩で来る方々が通過するルートに当たります。駅から約2km、30分で到着しますが、どの人も、いい汗をかいて当寺の前を通過していき ます。11月は寒さや蚊の襲来からも避けられ、紅葉も見られることから、城見学には一番の季節ではないかと思います。先日東松山市を中心に開催された日本 最大のウォーキングイベントである、「日本スリーデーマーチ」も杉山城をコースとして通過したようです。
 早いもので今年もあと2ケ月。最近、50歳を過ぎてからは、体に無理もできなくなりました。体をいたわり、残りの人生を充実したものにして過ごしていきたいと思います。


風に恐(風)怖!(2018.10)


 先月の初めと終わりに、主に2つの台風が上陸しました。また天気ネタかと思われる方もいると思いますが、興味深かったものですから、書かせていただきます。おつきあいください。
 まず9月4日の夜に上陸した台風21号は、関西地方、特に関西国際空港近くのアクセス道路の橋梁が強風により流された船で破壊されるというすさまじい 「かぜ台風」の爪痕を残しました。瞬間最大風速が大阪で58.1m/Sの猛威でした。スマートフォンが普及したので、一般の方々が投稿した動画の中で、駐 車場の自動車が何台も、おもちゃのようにコロコロ転がる様子が映し出され、自然の猛威の凄さを心底感じました。
 9月30日の深夜に上陸した台風24号では、関西地方では前回の教訓による備えに加え、コースが少し逸れたこともあり、甚大な被害には至りませんでし た。一方関東地方では八王子で風速45.6m/S、千葉県でも風速40m超えの強風でした。積善寺でもこれまで経験のないほどの風音とミシミシと言う建物 のきしみを感じました。
 近年ゲリラ豪雨という言葉も登場し、急な大雨の被害、道路の冠水や住宅の浸水には人々の関心・警戒が出てきましたが、強風には今一つ関心がなかったのが 事実ではないでしょうか。積善寺も21号の時は、お寺の境内のあちこちが葉っぱや枝だらけになっていて閉口しましたが、24号の時は夜中に庫裏に吹き付け る風の音がすさまじく、また何かが雨戸にあたる音も大きく、寝ていられない程で、さらに翌朝見回ると、今まで決して折れなかった庭の旗竿が全て真ん中から 半分に折れ、竹やぶの竹に至っては6本も折れ曲がっていました。いままでどんなに風が強くても、竹は折れなかったのに、ただ驚きの一言です。
 平成26年2月に記録的な大雪が東日本に降りましたが、その頃から気象や、火山活動等に大きな変調が起きているような気がします。これからは雪、雨、風 に加えて地震などの天災にも敏感に注意しなくてはならないと思いました。今年もあと2か月位で終わります。無事に年が越せることをただただ祈ります。


いつまで続く〜! のか
(2018.9)

 当ホームページご愛読の皆様、お元気でしょうか?拙僧は9月に入りましたが、しつ こく続くこの暑さに辟易としています。毎月の様に「天気ネタ」になってしまいますが、今年の酷暑に伴う前半の日照りと後半のゲリラ豪雨には、天変地異を想 像させる悲惨さを感じてしまいます。いい加減に、涼しい秋は来ないものかとイヤになっています。
 数字から見ますと熊谷地方気象台は、7月の平均気温が観測史上最高の28.9℃です。折しも7月は毎週末のように法事があり、駐車場に停めておいた自動 車の温度計が、日中に43℃とか、44℃とかになった記憶があります。梅雨明けが早く、暑くなり初めも早いので、とにかく身体が暑さに順化していないうち に、酷暑になったので健康へのダメージが大きかったです。
 一方で7月、8月の降水量の合計は214.5ミリとここ5年間で最低でした。とにかく乾燥して暑い夏でした。水やりに毎日1時間は費やしていました。午 後7時頃薄暗くなっても暑さがおさまらず、汗だくになってホースで水やりでした。9月に入ると、連日報道されているように、ゲリラ豪雨が夕立となり降り注 いでいます。乾燥した土壌に大量の濁流が流れる為、表土が流され、栄養のある土が無くなってしまっています。
 連日暑いか、ゲリラ豪雨かの状況で、少し離れた空き地には草がこんもりと生い茂って、さらには耕作放棄地にはクズが生い茂り、のどかな田舎の田園風景が台無しになっています。これから農地の手入れをする若者がいなくなると、今後荒地だらけになりそうです。
 暑さ寒さも彼岸までといいますが、今週末位から涼しくなりそうです。少し心と体を休めてリフレッシュ。年末までもうひと頑張りです。


暑〜くて 不思議な夏(2018.8)

 東日本での暑さの横綱は、私の住んでいる熊谷地方や群馬県の館林 や伊勢崎などでしょう。西日本では岐阜県、さらには名古屋などが連日40℃近い最高気温と報道されています。ここまで暑いとエアコンを切ることができず、 ほぼ1日中かけっぱなしになっています。エアコンがないところで過ごすのが体調不良と直結します。もはや平成30年以降の夏は空調機前提の生活になってい くと思います。東京オリンピックも出場選手や観客の暑さ対策がカギになってきそうです。競技はおろか、応援どころではなくなってしまいそうです。本当に暑 いね。
 前回で書きましたが、水やりは毎日のように行っています。しかしながら、一部の植物は枯れてきてしまいました。水が切れるだけでなく、温度が上がりすぎ て「煮えて」しまったようです。今年の夏は私の記憶にある中で一番暑い夏です。先日台風13号が来たので、少しだけ涼しくなりましたので、刈払機で草刈り をしましたが、なにしろ暑い。日差しも例年になく強いようで、サングラスは必需品です。もちろん首回りを冷やすアイスノンも。雑草の伸びは雨が降ったた め、勢いをまして、30cmほどあっという間に伸びました。いちいちそれをかき分けるように刈るので、非常に作業効率が悪いです。周囲を見回すと、私が 刈ったお寺の土地以外は、かなり草が高く、皆暑さで作業がはかどっていないのが見て取れました。
 水やりや草刈りをしていると気づくのですが、通常この時期に屋外作業をしているときに悩まされるのが、蚊やブヨなどの虫です。特に蚊は顔の周りにまとわ りついてきて、瞬間的に刺して逃げていき、顔が刺し跡だらけになり、痒くてたまらない状況です。しかし今年はあまりの暑さに蚊がいない不思議な夏です。新 聞に書いてありましたが、蚊は35℃以上になると動きが止まるそうです。蚊はいなくてラッキーなのですが、あまりの高温だと人間の動きも止まってしまいま す。へとへと。
 お盆を過ぎると、暑さも必ず一段落します。あと少し、暑さの峠を越えたら、避暑地にでも行こうかな。今年は避暑地も猛暑だそうなので…。


〜恵みも脅威も〜 自然と共存して生きる(2018.7)


 本ホームページを、ご愛読の皆様、いかがお過ごしでしょうか。現在拙僧は8月のお盆の準備で忙しい毎日を送っています。
 さて、日本の広範囲にわたる水害で被害に遭われた方、またお亡くなりになった方につきましては、心よりお悔み、ご冥福をお祈りいたします。過去に例の ない程の雨量で街並みが次々に浸水していく様は、映像を見る私にとっても心が痛み、被災地の方の心中察し申し上げる次第でございます。
 なにぶんにも、今年は梅雨明けが早く、6月中からカンカン照りが続いて、私も裏山の草刈りで軽い熱中症にかかり、その後の体調が優れません。暑くなると 「猛暑日」呼ばれる、いわゆる35℃以上の日になり、屋外で作業するのが文字通り「命がけ」になります。暑くて水分が体から失われますので、飲み物をがぶ 飲みしますので、胃腸の調子も芳しくなく、体調不良の日々です。
 昨年50歳になり、今年51歳になりますが、「中年」から「中高年」への過渡期なのか、年齢を感じるようになりました。あ〜あ、歳はとりたくないですね。巷ではこの年頃の体の変調を「男の更年期障害」と呼んでいるようです。当たらずしも遠からずというところでしょうか。
 折しも先日、7月23日に熊谷地方では最高気温が41.1℃の日本新記録を更新したそうです。私の住んでいる熊谷地方が日本一になりました。暑いわけで すね。ただ、暑いだけならやり過ごせるのですが、雨も降っていないので、毎日の水やりが大変です。およそ職場から戻って1時間は水やりに時間を取られてし まいます。酷暑の中で汗だくの水やりは体に効きます。本当に大変ですよ。
 大雨に、酷暑。文字通り「自然」現象には、文明社会を築いた人類でさえも逆らうことはできません。恵みや脅威をもたらす自然と共に、健康や身体に気をつけながら、これからもよりそって生きていきたいと思います。

6割増しの 〜恵みの雨〜(2018.6)

 当サイトをご愛読の皆様、ご機嫌はいかがでしょうか。今日現在、世界的に言えばサッカーのワールドカップの予選リーグでわが国は、「1勝1分け」という快挙を遂げ、現在良い感じで進んでおります。今後どうなるのでしょうか。楽しみであります。
 さて、私常日頃より積善寺の庭の手入れには事欠かないように、管理を行っております。草むしりや枝おろし、草刈り、季節ごとの花の植え替え、枯れた枝や 花の撤去、また時々作られてしまう「蜂の巣」の駆除。さらには病気や害虫に侵された場合の薬剤の散布など、やることを探し回る暇もなく、次々に仕事があり ます。
 特に庭造りは、私が住職になってから始めているので、5年目になる現在においても進行形で続いています。庭造りの基本は植物の植えつけですが、その植物 が根を張り、定着するのには「雨」もしくは「水分」が重要となってきます。ここ数年の雨不足には手を焼いてきましたが、今年は雨が多めで実際昨年の1〜6 月までの雨量が熊谷地方では269mmだったのが、今年は432.5mmと、6割増しの恵みの雨です。
 恵みの雨が降って、一番元気なのが、リュウノヒゲとコケです。これらは和風の庭を形作るのにとてもいい役をしてくれます。苔むした庭と、石の回りを取り囲むリュウノヒゲは落ち着いた雰囲気を出してくれるのです。ありがたい。
 しかしながら一方で、雨が多いので、草や枝の伸びが良くて、こちらの伐採も大変です。結論から言うと嬉しいやら、忙しいやら、体力は使うわで、色々な意味で充実した夏になりそうです。頑張ります。皆様の陰の応援よろしくお願いします。


久しぶりの職場異動(2018.5)


 拙僧は、市役所に勤めまして28年ほど経ちます。色々な職場を経験して一通りのスキルは身に付けているつもりです。入庁した当時は物品の購入、契約の担当でした。当時担当で購入したイスや机もいまだ現役で市役所内で活躍しています。
 その後色々な部署を経験しましたが、一番長かったのは「人事」の部門であり、福利厚生から研修、給料の計算・支給、採用・昇任試験等、色々経験しました。通算しますと、10数年は在籍したことになります。
 公務員のストレスと言えば、民間企業に比べれば大したことはないとのご意見も受け止めますが、30年近く公務員を経験した中で、一番の心の重荷は「人事 異動」です。市役所ですと、色々な部署があります。税金を計算し、払っていただいたり、道路を設計して造ったり、高齢者のサポートを考えたり、それこそ会 社に例えれば、別の会社に転職するほどの業務内容の違いがあります。
 拙僧もこの4月より、子育てをサポートする担当になりました。今まで経験をしたことがない業務ですが、少子高齢化は、今後の我が国を揺るがすほどの大問 題です。いかに子育てがしやすくなり、また子供を産み、育てることに希望を持つことができるかは、今後の未来を左右する課題でもあります。さすがにひと月 と少ししか経過していないので、まだよちよち歩きではありますが、しっかりと一つひとつ身に付けて進んでいこうと思います。
 歳はとっていますが、初心を忘れずに謙虚に仕事に臨んでいきたいと思います。
す。さすがにひと月 と少ししか経過していないので、まだよちよち歩きではありますが、しっかりと一つひとつ身に付けて進んでいこうと思います。
 歳はとっていますが、初心を忘れずに謙虚に仕事に臨んでいきたいと思います。


明日は何処(いずこ)?(2018.4)

 当HPの愛読者の方々、本当にあつ〜い3月末そして、4月となりまし た。桜、つつじ、ぼたん、シバザクラ。これらの花は観測史上稀にみる、この時季30℃の気温に促され、一気に時を一度にして咲いてしまい、花を冠したイベ ントは悉く、「時季外れの感」が出てしまいました。分かりやすくいえば咲き終わってしまったのです。
 積善寺のある嵐山町も、「さくら祭り」を4月7日に挙行しましたが、すでに3月中にさくらは終わってしまい、「葉さくら祭」となってしまいました。これは分かりやすい例で、それこそ、周辺地域が全て時季外れのイベントで満載となってしまったようです。
 話は変わり。私3年弱前に、妻を急死で亡くしました。妻の死などはまったく想像もしていない事柄でしたが、実際に自 分が急に妻を亡くすと、傍から見たり聞いたりしているときとは全く想像のできない、言葉に尽くせない、悲惨な苦悩が待っていました。それに続いて、色々と 今も解決していない悩ましい出来事が発生し、現在も日々全くクリアで生活しているわけではありません。
 幸いに健康状態だけは良く、病気や、怪我、障害があるわけではないので、それは大きい希望だと思います。健康であればいつかは苦難を乗り越えることができます。健康体あっての人生だということは本当に理解しています。
 妻の死から数年経過しましたが、親族を亡くした悲しみというものは経験した方は理解できると思いますが、薄くはなってきますが、完全に消えることはなく、悲しみや苦しみからクリアに抜け出せないでいる状況は変わっていません。
 しかしここ数年の間 に、私と同様に(と言うのが正確かは分かりませんが)、昨日まで何事もなく過ごしてきた人が急に不幸な境遇になるというのを、いくつか目の当りにしてき て思います。本当に明日という日は、我が身、他人の身を含めて「人の身」は何処にあるのかわからないというのが実感です。
 最近50年生きて来て、色々思うことがあり心の中で感じた事があります。「人生は正解も誤りもない、成功も失敗もない。ただ目の前にある事実だけがある…」。
 目の前の事柄に目を背けずにまっすぐに生きていきます。


桜の花と旅立ちと(2018.3)


 今年は、春彼岸の中日が、熊谷で1センチの積雪を記録するくらいの寒 さでした。折しも当寺は1年に一度の花まつりが行われる日であり、20年近く続いている花まつりで唯一「雪の花まつり」の日でございました。同日の檀家回 りも檀家様の家は良いのですが、移動の車中が寒さ厳しく、和服では凍えるほどでした。いやはや参りました。
 その後、3日後くらいから気温が25℃に迫る勢いで、連続7日以上、20℃以上の日が続く状態に変化し、桜が一気に咲いてしまいました。これを書いている最中も桜の花が散り始めている状態で、3月中花が持つのか疑問なくらいの暖かさ(暑さ)です。
 各地、至る所で桜の時期は卒業、入学のシーズンです。旅立つ人、新たなスタートを切る人、回り道をする人。色々な人がいます。今年は冬季オリンピックの 年でしたが、国際舞台のように、最短距離でゴールを迎えることが、大きい意味で人生にとっては、重要ではないと私は考えます。市役所に勤めていたり、お寺 の住職をしていたりすると、本当に色々な人生があるということが分かってきました。
 正解は決してありません。人生のゴールが寿命を全うすることであれば、そのゴールまでは何が起きるか全くわかりません。もちろんゴールを走る本人にもわ からないことだと思います。私も一見順調な人生を送っているように見えましたが、突然の妻の死、そして諸々の出来事があり、一歩先は誰もわからないことを 実感しています。
 だからこそ、周囲の方々の助けがとてもありがたく感じて、感謝を身に染みる気持ちが以前よりも増しています。時には立ち止まり、そして回り道をしてみる。一度しかない人生。桜と共に新たなスタートです。


煙(けむり)よさらば(2018.2)


 東京オリンピックの開催も2年後に迫り、小池都知事の飲食店での「分煙」、「禁煙」さわぎもテレビをにぎわしています。確かにタバコを吸わない者にとっては、タバコの煙は臭いし、迷惑なだけです。有害な物質も含まれているようですので、健康上でも大きな問題があります。
 また日本は他の諸外国と比較して、タバコに寛容な部分があり、タバコを吸える場所やタバコの値段においても、喫煙者を優遇すると思われかねない状況にあるようです。
 実は拙僧はタバコを吸っています。というか正確には吸っていました。20歳のころから吸っていましたので、途中とぎれとぎれで禁煙したこともありましたが、通算30年吸っていました。50歳になるのを機に禁煙を決意し、現在約2か月続いています。
 禁煙した実感としては、空気が清々しいというのはあります。よく言われる「ごはんが美味い」とか「太る」状況には無いようです。ただ病院で血圧を測った ところ、確実に1割減にはなっていました。健康上の効果はあるようです。また最近たばこは一箱500円近くしますので、経済的にも節約することができてい ます。
 あらためて考えてみますと、10数年前は机の上や電車のホームでタバコを吸うことができましたが、今では全くできなくなりました。全体的に俯瞰して考え ると、今の時代だから禁煙が容易になったのだと思います。色々なところで吸える環境であれば、禁煙は難しかったのかなとも思います。最初の3日から5日は ニコチンが体から抜けるのが苦痛で、頭がぼーっとなったり、無性にタバコが吸いたくなったり、難儀でしたが、いまではタバコを吸っていたことすら忘れてし まいそうです。
 ともあれ、禁煙に成功したので、これから死ぬまで無煙を続けていきたいと思います。山の良い空気を吸いながら健康的に生きて行きます。


国難ともよぶべき危機(2018.1)


 当HPをご愛読の方、新年あけましておめでとうございます。今年も昨年同様、新年明けて、しばらく穏やかな日が続いてました。これまでで最も早い「第二月曜日・8日」の成人式も終わり、都心では大雪も通り過ぎて、今年一年が始動した感があります。
 さて、新年明けての国会で首相が少子・高齢化を「国難ともよぶべき危機」と述べたそうです。高齢化は医学の発達や年金制度の充実で単純に「長生き」時代 になったのが理由だと思います。大きな問題ではありますが、高齢化は高齢者の人口、特に団塊の世代の方々が次第に自然減として減少していけば緩和されてい くものと思われます。
 一方で「少子化」。これはとても深刻な問題だと思います。拙僧も2人の子を育てましたが、人間として生きて、結婚して、子孫を残すというのが、ある意味 「当然」「義務」だと思っていましたので、懸命に努力して結婚、子育てを行いました。しかし現在「非婚化」「晩婚化」の言葉どおり、結婚、出産、子育てを 選択しない現象が顕在化しているのが現状です。
 「自由」と「権利」という言葉があります。恋愛は自由ですし、結婚しない人生、子どもを産まない人生を選択する権利はあります。自分の稼いだお金を自分 の自由に使えて、自分の時間の大部分を自分の使いたいように使うことは、ストレスの少ない、縛りから解放された人生を歩むためにはとてもメリットがありま す。
 子育てをしてきて思ったことは、子どもの教育にとてもお金や、労力がかかるということです。子どもの学習塾や習い事はもちろんですが、親が保護者会や役員等の集まりへの参加すること、親同志の付き合いなど、本当に必要なのかわからない場や機会がとても多いと感じました。
 これをある一面だけで考えると、日本は「学校に行く」ということをしなければ、一人前にならない。学歴が積めない国なのだなと思います。学校に行かなく ても、就職や社会生活に困らない道筋ができれば、子育てをする人も増えるのではないでしょうか。またイジメやそれを苦にした不登校などがなくなるのではな いか。私はそう思います。
 個人個人が尊重されているようで、実際には学校に行くか、行かないかで人生が決まってしまう。学校に行かなくても、だけもが輝ける社会の実現があれば、少子化は緩和されるのかなと思います。
 これから、どのような社会になっていくか、私を含め一人ひとりがきちんと考えて行動し、後世に伝えていくことが「国難」を乗り越えるのに必要な事だと思います。





乾燥した冬と今年一年と(2017.12)


 今年の冬は寒波が到来し、寒さが厳しく、体調を整えておくのが大変な 日々です。寒さが厳しいせいで、例年は年を越してしまう落ち葉もこの原稿を書いている日現在(22日)では、ほとんど落ち切ってしまい、落ち葉掃きも一段 落しています。一方で2月にも書きましたが、最近の冬は北国に大雪が降っている反動で、乾燥が著しく、熊谷地方は今月に入って降雨量が2ミリと観測史上最 低を記録しています。おかげさまで1週間に2回程度庭木に水まきをしています。今年の2月の4ミリの降雨量の時に、水まきを怠り、芝桜がほとんど枯れてし まった苦い思い出を繰り返したくありません。
 積善寺に移り住んで3年半。本当に色々な事がありました。妻の死去をはじめ、悲しいことが多かったのかなとも思います。しかし時間もある程度たった今、 悲しみよりも、自分の人生をきちんと歩んでいく大切さをかみしめています。1年前の年末年始は、淋しさと絶望で過ごしましたが、今年は気分も安定して、色 々なことが順調に進むようになりました。食事や睡眠も安定的にとれるようになり、心身ともに充実しています。
 今後どのような人生を送り、またどのような運命が待っているのかわかりませんが、今のペースを崩すことなくしっかりと暮らしていきたいとおもいます。悲 しい数々の出来事はこのことを教えてくれたような気がします。これだけのことを乗り越えたのだから、これから何が起きても前向きに過ごしていきたいと思い ます。今年もあと数日で終わります。来る年が明るい年でありますように、皆様の事も含めまして、仏様にただ祈りたいと思います。


水草の冬越し(2017.11)


 本堂の前の水鉢には、以前メダカや金魚を入れていました。しかし野鳥 や猫の標的になって、いつも食べられてしまうので、かわいそうに思いしばらく水だけの状態でした。水だけですと枯葉や枝等のごみが目立ち、あまり見栄えが 良くないので、今年は観賞魚店から水草を購入し、6月頃から入れていました。
 水草の種類は「サルビニア・ククラータ」、「ドワーフ・フロッグピット」、「フィランサス・フルイタンス」の3種類で舌をかみそうなほど長い名前です。 それぞれ繁殖力が旺盛で、真夏には水鉢を覆い尽くして、それこそはみ出しそうなくらいに茂っていました。訪れる人も「これは何か?」と興味を持ってくれ て、話の種にもなっていました。注意書きには「増えても決して、池や沼、川には捨てないでください」と書いてあるくらい、他の植物を駆逐する力があるのか なとも思いました。増えた分は、注意書きに従い、川ではなく山に置きました。山に置くと次第に枯れて、溶けてなくなります。
 見る人の目を十分に楽しませてくれた水草も、11月に入り、格段に元気が無くなりました。一部が茶色に変色し、今にも枯れそうな様子です。それぞれ3種 類の一部を切り取って、室内のガラスの器に浮かべました。最初はあまり元気がありませんでしたが、陽の当たる窓際に置いたところ、次第に元気を取り戻し、 新芽を出して成長が始まりました。屋外では1日に一度くらいしか見ませんでしたが、室内ですと1日に何度も鑑賞することができて、しかも生命の力を日々感 じることができ、楽しみも増えました。
 来年春先には、再び水鉢に戻して、繁殖してくれることを期待して、今は冬越しをさせています。今年もあとひと月あまり。寒さに気を付けて頑張ります。


「選挙」と「台風」の渦巻き二つ(2017.10)


 9月も押し迫った頃、安倍総理は急に降ってわいたように「衆議院解散 総選挙」を宣言しました。総理は「解散」と言えばよいのですが、約600億円かかると言われる選挙費用はもちろんですが、予定されていた行事の繰り延べ や、中止、行楽時期での家族サービスの取りやめなど、公私に及んで影響がかなりありました。
 選挙の情勢は、当初小池都知事の「希望の党」が勢いづいていましたが、結果としては「敗戦」となり、自公政権の圧勝という形になりました。現在高齢者福 祉にかかる社会保障費は非常に膨大で、消費税を上げることに国民はイエスという返事をした形になりましたが、果たして10%で消費税は足りるのか、行政に 携わる者としては危機感をぬぐえません。
 私も一応選挙の責任者の一人ですので、選挙の週末は土・日ともほぼ未明まで勤務をしていました。今回まったく晴天の霹靂だったのは、土曜日の朝、檀家様 が亡くなり、葬儀を依頼する電話が立て続けに2本鳴ったことでした。台風も接近していることですし、土日の通夜・葬儀はなくなったのですが、2つの葬儀を どうするか、一時は頭が真っ白になりました。よくよく聞くと一件は遠方のようで、家族でまず火葬に付してから、こちらに移って葬儀を行うことに落ち着き、 事なきを得ました。ほっと胸をなでおろすとはこのことです。
 選挙と同時に超大型の台風21号も列島を襲いました。私の勤めている自治体では、河川が氾濫警戒水位となり、避難所があちこちで開設されました。選挙の 開票事務を夜中まで行い、その後避難所従事に行った職員も多数おり、「泣き面に蜂」の状態でした。私も日曜日は夜中の3時頃帰宅し、寝たか寝ないかのうち に、境内を見回りし、被害を確認しました。そして、その後市役所に出勤し、翌日通夜・葬儀であり、今近況をつづっている私の体調は寝不足のまま完全に回復 していません。
 選挙と台風が重なることもめったにないと思いますが、さらに葬儀が重なったのは、何かのめぐり合わせかもしれません。健康に留意しつつ、精進してまいりたいと思います。


タヌキとキツネ(2017.9)


 積善寺周辺は山奥でもありませんし、俗にいう辺鄙な場所でもありません。しかしながら、自然が豊かで色々な植物、動物が生息しています。中でも日本古来から山里に住み着いている、タヌキとキツネがおり、時々目にします。
 タヌキは数も多く、さらに人なつこい性格のためか、遭遇時にわりと近くに寄ってくることが多いです。この時期になると生りそこないの柿の実が地面に落ちていると、それを食べに来ます。主に夕方から夜にかけて行動することが多く、薄暗い中、一生懸命餌を探し食べています。
 鳴き声は短く「ギャッ」と鳴く感じで、山の中で鳴き声が聞こえると「ああタヌキが来ているな」と思います。ずんぐりとしていて、不格好な感じでスタイルは良くないのですが、親しみの湧くキャラクターです。親子で歩いている姿も時々見かけます。
 一方でキツネは数が少ないのか、1年で2、3度見かける程度です。姿かたちは小柄な犬と似ているのですが、決定的な違いは切れ長の「眼」と圧倒的に大き いしっぽです。しっぽが体と同じ位の大きさで太く、ふさふさの毛で覆われています。子どもの頃、「キツネのエリマキ」というキツネのしっぽを模したマフ ラーがありましたが、まさにそのものといった感じです。
 タヌキと比べて人にあまり馴れず、一定の距離までしか近寄れません。用心深い為か、異動する時間・ルートが決まっており、同じ時間に同じ場所にいくと遭 遇する確率が高いです。鳴き声は、絵本や童謡では「コンコン」と表現されていますが、「キャー」とか「ギャー」と物悲しいような鳴き声です。姿かたちや鳴 き声から、神秘的な印象を多く受けるので、お稲荷さんのように神格化されて祀られるのかなとも思います。
 色々な場面でイラストやアニメにもなっているタヌキとキツネですが、実物を観察すると、かなり違う印象です。これから木の実等が豊富な季節になります。これらのお客さんと出会える機会も多くなると思うと、心がなごみます。


長雨もまた、よろし(2017.8)


 今年は8月に入り、東京では21日間連続で降雨があり観測史上2番目 に長い雨の期間だったとの報道がありました。積善寺周辺でも実際に雨が多く、ことにお盆の時期には雨模様で涼しく、重ね着をする我々僧侶にとっては過ごし やすい天候でした。今年のお盆も無事に終わり、束の間の平安が訪れています。
 さて、今年の初めから天候が乾燥気味であった事は、当サイトでも以前記しましたが、実際の数字ではどうだったのでしょうか。あらためて書いてみます。1 月から7月までの降雨量は熊谷気象台の数字で450ミリで、平年の7割程度でした。とくに2月は平年の1割程度の4ミリ、6月は同3割強の53ミリでかな り乾燥していた事が分かります。6月から7月にかけて1月ほど毎日ホースで植木に水やりをしていました。本当に大変でした。おかげで雑草の丈は低く抑えら れていたメリットはありましたが、庭木のイチョウの上の部分が枯れてくるほどの乾燥でした。
 ニュースをはじめとする報道の傾向として、晴れがかなりの日数続いても、あまり話題になりません。一方で雨が続くとすぐにニュースになります。今回も雨 続きということで連日のように報道されていました。さらに野菜も不作だとの報道もありました。積善寺近辺ですと、雨に弱いトマトは果実がひび割れて不作で すが、ナスやキュウリは普段通り採れています。おそらく不作の所は地域によるものだと思われますが、ニュースになると、それこそ関東全域的に野菜が不作だ と受け取ってしまいます。報道の怖さをしみじみと感じました。
 これから、まもなく9月に入り、暑さも一段落します。お寺としても少し行事等が空く時期になります。ここで体調を整えて、いつ連絡があるかわからない葬儀や、法事、正月の初詣にそなえたいと思います。


酷暑〜ただ、ためいき
(2017.7)

 当サイトをご愛読の皆様、大変お暑うございます。7月の2日、最初の日曜日から始 まった30℃以上の酷暑は、その勢いを弱めずに、本日まで続いています。天気予報では「今日も猛暑日です。熱中症に注意しましょう」と軽く伝えているだけ です。なんで「7月にこれだけ暑いのは過去にはありませんので、警戒してください。」等と警鐘を鳴らすことをしないのかなと思います。雨や台風は目に見え るものであり、被害も直接的なので、注意することは反対側から考えれば用意なのですが、暑さはじわじわと体を蝕んで、最終的には夏バテ、体調不良につなが ります。お年寄りになると体力が低下するので、命に関わるかもしれません。
 一方で、暑さと同時に潜在的に隠されているのは、乾燥です。今年は1月から雨量が 少なく、すでに関東地方では取水制限も始まっています。積善寺の庭もカラカラに乾いて、毎日水くれをしている状態です。乾燥が続いているので、1つだけ幸 いなことは裏山の雑草の伸びが遅く、草刈の回数が少なくて済んでいる面は助かっているのですが、普段生えないような草が伸びており、乾燥に強い草だけが 残ってしまい、生態系への影響が心配です。
 結論として何を申し上げたいといいますと、「7月から、こんなに暑い夏は初めてで す」という事です。これでは8月に入ってからの気温がとても心配です。報道では「世界的に高温の状況」とか「南極の氷が茨城県位の面積で流氷となった」な どと言っていますが、まず自分の身の回りの生活に置き換えて、注意して行動することを促すのが良いのではないかなと思っています。
 これから「お盆」に突入していきますが、なにしろこの時期からの高温には辟易しています。健康管理が一番ですので、体調に留意しなが、本番を乗り越えていこうと思います。


「近くに『おでかけ
』たのしいな」(2017.6)

 拙僧は、平日は公務員、休日は法事等のお寺の業務があり、ほとんど自分の時間がありません。先月5月は毎週土日法事で昼間は読経、朝夕は草刈り等の境内整備に翻弄され、目が回るようでした。今月に入り、時間ができましたので、「安」「近」「短」で楽しんでいます。
 最初の日は「ときがわ町」です。最近カフェブームだそうで、色々なカフェができています。行ったのは自宅の物置を改造して、外国の小屋風にしたカフェで す。商売っ気があまりなく、また混んでもいないのでゆっくりとできます。出された料理もおいしくて、また値段も1000円程度とお手頃でした。河原や花々 もドライブの道すがら楽しめました。
 次に行ったのは東秩父村です。高原牧場で「天空のポピー」という一面のポピー畑を鑑賞しました。今年は雨が少なくてイマイチだそうですが、赤一面のポ ピー畑は圧巻でした。イベントもしていたのでB級グルメも楽しめました、その日は皆野町側に下りて行って、「秩父華厳の滝」も見ました。実際の日光にある 華厳の滝を小さくしたような、それでいて迫力のある滝でした。
 最近訪れたのは、群馬県に行きまして、旧鬼石町の下久保ダムを訪れました。広大な水面を見ていると心が和みます。帰りに旧児玉町でおいしい「たれカツドン」を食べて帰ってきました。冬にまた行って冬桜を楽しみたいと思います。
 3か所とも1時間以内で到着出来る所ばかりで、しかも楽しいときていますので、適度なリフレッシュになりました。来月からはお盆の準備となり、1年で一番忙しい時期になります。体調管理も行いつつ頑張っていきます。


「暑い日」(2017.5)

 当ホームページをご覧の皆様、お元気でしょうか?5月に入り、予想通り「暑い日」が続いています。これを記している下旬頃は何日真夏日が続くのかと、こ りごりの感もあります。地面も乾ききっていますので、水やりは毎夕の事で骨が折れますし、紫外線も容赦なく降り注いでいまして、これはかなわないの一言で す。ここ数年の傾向ですが、5月に30℃を超す日が続いて雨が少なく、田植えの時期に水がないという現象が起きています。そして梅雨があったのかないのか わからないうちに、夏に突入という季節感がうすれてしまっています。
 初夏に雨が少ないと、新芽の時期から成長するはずの草木が、水分がないので不意打ちをくらって、葉やけを起こしたり、ひどい時は枯れたりします。積善寺 の庭も数年前から造っている庭園なので、この時期に雨が少ないと、拡大や安定が図れなくて、毎年苦労しているのです。裏の竹やぶもタケノコが大きく伸びる 時期ですが、何本か先端が枯れ始め「失速」状態のものも出ています。毎年の事ですけどね。やれやれ。
 体調について申し上げますと、例の私の胃の「ピロリ菌」は死滅しました。4回病院に行くことになりましたので、大変な作業でした。ピロリ菌がいなくなっ てからですが、空腹感がとても強く、沢山食べてしまうようになったので、お腹回りも少し充実してきました。でも「お腹が空く」というのは近年感覚として薄 かったので、もりもり食べられるのはうれしい限りです。
 5月はまさに「法事三昧」の週末でしたが、来月に入ると少し余裕ができます。お盆前の「束の間の休息」を楽しんで、ゆっくりと過ごしたいと思います。

「桜の花」と「菜の花」と(2017.4)

 今年は、東京が日本で一番最初に桜が開花したとの便りがありました。積善寺の近辺ですと、例年通り4月のはじめに開花しました。桜が咲いてから寒かったのと、激しい雨がなかった為、2週間以上も桜の見ごろが続き、お花見には最高の年になりました。
 積善寺の庫裏の2階からは、武蔵嵐山駅方面が一望でき、山々の新緑とともに、山桜やソメイヨシノのコントラストが絶妙に見渡せます。今年は朝目覚めてカーテンを開けた時に、絶景だと思う日が何日もあり、気分的に清々しくなっています。
 4月の初めには、積善寺裏山に菜の花が開花し始めました。最初はつぼみでしたが、2週間桜の見ごろが続いたため、みるみるうちに桜の木の足元が黄色で埋 め尽くされ、菜の花の黄と、桜のピンクが春を心から思わせる光景となりました。今年は菜の花を、試しにゆでて食べました。1回目は結構いっぱい摘んだつも りでしたが、調理すると少しになってしまい、十分に味わうまでにはいきませんでした。リベンジで2回目は多めに摘んだところ、茎から先端部まで十分に色々 な味を楽しめました。来年の参考としたいと思っています。
 2月、3月と雨がほとんど降らず、庭木や、シバザクラの成長について心配していましたが、4月に入ってからほどほどに恵みの雨があり、積善寺も百花繚乱といった具合です。これからはボタンの花が楽しめます。私自身の気持ちも、少しずつですが、春を迎えたいと思います。


「ピロリ菌除菌」チャレンジしました〜(2017.3)

 拙僧は、1月20日に人間ドックを受け、血液検査を受けたところ、「肝機能異常」と「ピロリ菌陽性」の結果が出ました。結果にうなだれて、再度ドックを受検した病院を受診しました。目的は「ピロリ菌除菌薬が欲しい」からです。
 ピロリ菌は以前から気になっていました。ピロリ菌は色々胃に悪さをするようです。ピロリ菌が胃の粘膜に感染すると炎症が起こります。感染が長く続くと、 胃粘膜の感染部位は広がっていき、最終的には胃粘膜全体に広がり慢性胃炎となります。この慢性胃炎をピロリ感染胃炎と呼びます。この胃炎が胃潰瘍、十二指 腸潰瘍、萎縮性胃炎を引き起こし、その一部が胃がんに進行していくという恐ろしいものです。菌が居ればすぐ除菌したいものです。
 そういうわけで、2月の中旬に、ドックの結果を持って、まず同院内科を受診しました。内科では「肝機能が…」と言われ血液を採られました。心の中では 「ピロリ菌除菌なのになぁ」と思いながら痛い採血をされました。採血後1時間ほどで「新井さ〜ん」と呼ばれ診察室に入ると、「肝機能はほぼ正常値です」と 告げられました。「酒もほとんど飲んでないから当たり前だぁ」と思ってむっとしていると、次に内科医は「ピロリ菌の除菌薬ですが、うちでは消化器外科を受 診してもらいます。」と言われ、「胃カメラの予約をしますが何日がいいですか」と私に聞いてきました。「胃カメラ???なんの事?」と唖然としていると、 「胃カメラを飲まないとピロリ菌の除菌薬は出ません。保険適用になりません。」と言われました。泣く泣く胃カメラを予約。数年前に「口から胃カメラ」で死 ぬ思いをして1週間体がおかしかったので、今回は「鼻から胃カメラ」にしてもらい3月に再度受診することにしました。
 胃カメラ当日。朝食をとらず空腹で胃カメラ室へ。口からの時は麻酔ゼリーをのどの所に入れて数分待つ形でした(この麻酔がほとんど効かない)が、鼻から の場合は、鼻の中に1分間隔ぐらいで麻酔の滴薬とスプレーを2回ずつ。そして極めつけはのどに麻酔のスプレー!「息を止めて」と言われなかったので、思 いっきり麻酔薬を吸い込んで涙が出る程咳き込んでしまいました。看護師さんの意地悪〜!
 そして診察台に寝ると鼻に滑る薬を塗られて、直径5ミリ位のカメラをどんどん入れていきます。「割と楽」という感覚でしたが、上下に激しく動かされるの でその時「オェー」と2回ぐらいなりました。カメラ最中は話もできて「口から」の時よりずいぶん楽でした。麻酔も結構効いていました。でもやはり2日位は 鼻の奥が痛かった。
 診断が終わって「ボノサップパック」という7日間朝夕飲む薬をもらいました。7日間は禁酒、禁コーヒーとしまして、今に至っています。薬を飲み終えてピ ロリ菌が死滅したのか、空腹感がかなりあります。やはり健康な「胃」をとりもどしたのかな?4月の中旬、1か月経過した後に除菌ができたか検査するそうで す。結果は次回の近況に記します。どきどき。お楽しみに。
 これからお彼岸。忙しくなりますが、体調に留意して頑張ります。そういえば今年「50歳」になるんだよなぁ。体調、体調、健康が一番!


「カラカラ」でございます(2017.2)

 当HPをご愛読の方々、ありがとうございます。日差しも寒いながら、春が感じられるようになりました今日この頃です。拙僧も弟子との二人暮らしにも慣 れ、料理のバリエーションも数十種を誇るようになり、楽しくクッキングをしています。そろそろお彼岸になりますので、体力も付けなくては、体調管理もしな くてはと、休肝日も3〜4日は行っています。この前の検査では色々な数値も「ほぼ正常」にあるとのことでした。
 さて、穏やかな正月から始まりました平成29年ですが、天から降る雨の少なさには閉口しています。実際にサイトで降水量を調べたところ、熊谷地方の昨年 が1月・70ミリ、2月・33ミリでしたのが、今年は1月16ミリ、2月は今日まで4ミリだそうです。実に昨年の5分の1以下しか雨が降っていないという ことになります。おかげで、垣根やシバザクラの水くれに手間がかかっています。また何より、花粉症やインフルエンザの危険性も高くなり、健康的にも不安で す。さらにまた、3月になりますと、種まきの時期に入りますので、雨不足で色々な作物が高騰しないかと一抹の不安も抱えている状況です。一方で、あまりの 乾燥に宿敵の「雑草」の方はほぼ成長を阻まれているので、そちらに関してのみはメリットなのかなとも感じています。
 これからも公務員とお寺に全力投球しつつ健康に留意し、生活してまいりたいと考えています。婚活も張り切ってやってま〜す。

「普通」に暮らすことの有難さ(2017.1)

 当サイトの読者の皆様、今年もよろしくお願いいたします。今年は、色々ありまして、嫁は極楽へ長期旅行、娘はアパートと、私と息子だけの少ししんみりと した正月となりました。喪中ということもあり、とくにお祝いをするということもない、今までにない複雑な正月を初めて過ごしました。
 正月を過ぎ、ほどなくして、娘が成人式となりました。やはりここまで育てたというのは感慨深く、しみじみと思いいるとともに、着付けやら、身の回りの世話やら、いろいろと手を掛けてくれた姉には本当に感謝しています。
 嫁のいない生活にも慣れ、息子も家事を一通りはこなせるようになり、私がいなくても、積善寺は内外ともに整っている状態になりました。心も大分落ち着い てきました。悲しみは消えることはありませんが、悲しみの玉もかなり小さくなり、再燃することもあまりなくなってきました。これも生活の安定とともに、心 が安定してきた証拠かなと思います。
 亡くなった嫁には大変感謝をしています。結婚、子育て、住職になってからの色々なサポートをしてもらったことは、今思えば「有り難かった」の一言に尽きます。今もこれからも毎日供養を続けていきたいと思います。
 一方で、娘も息子も続々とあと2年で就職となり、その時、寺に残るのが私1人となる可能性も、かなり出てきました。子供達の若いうちの人生を縛ってしま い、悔いが残るのは本人にとっても良くないことです。子供達は自由に自分の人生を送ってもらいたいと願っています。そうなると、自分のパートナーを探すこ とになりますが、ここで約1年を過ぎようとしているところで、自分の為、そして積善寺の為にも、少しずつ行動に移していきたいと思います。「普通」に暮ら すことのありがたさを、今年はかみしめながら暮らしていきます。

年の終わりに(2016.12)

思い起こせば、平成28年ももうあと数日。年齢を経るとともに、誰もがお感じになっているのでしょうが、1年はあっと言う間で、正月が来れば、すぐまたその次の正月が来るような感覚です。健康で生きていられることに対し、御仏に感謝申し上げます。
 平成28年。年が始まり間もなく2月に、妻が急逝いたしました。その後の半年位は本当に時が経つのが遅かった。言葉通り生活が「一変」してしまい、その 中で葬儀後の弔問の対応や、死後の手続きの数々。一番中心になってサポートしてくれる人が不在なのは、精神的にはもちろんですが、身体的にも体力の限界を 何度か感じ、疲労を超えて、一時は本当に「どうにかなって」しまうと思いました。
 自分の体験から物を申せば、半年くらい経過したところで、自分自身も新たな生活のペースを掴み、また周囲も「死」を口にしなくなるため、身も心も安定し てきます。ただ、忙しいのはどうにもならなくて、時々へこむこともあります。現在、概ね1年を経過しました。悲しみは消えることはありませんが、亡き妻が 極楽で幸せに過ごしていることを祈念する気持ちが強まってきました。亡くなった人は帰ってきません。残された者は亡くなった人の分も強く正しく生きていく しかないと今は考えられるようになりました。一時は暗闇の絶望の淵にいた心身にも生きる力が漲ってきました。
 来る年は、普通に平穏に過ごせることをただ願い、そして新たな再生の年ともしたいと考えています。私自身の事はもちろんですが、皆様の来る年が安穏でありますよう、心からお祈り申し上げます。


里山を整備〜復活〜(2016.11)

 積善寺西側の山は、十年ほど前に杉の木に落雷があり、積善寺の屋根瓦を直撃し、被害が出たため、杉の大木を十本ほど地主さんに依頼し伐採しました。その 後特に手入れをせずに、住職が草刈り等をする程度でした。一昨年頃、地主さんが杉山城の国指定に係る用地買収の際に、町に譲渡したため、管理は町に移った のですが、城址から離れているため、荒れ放題となっていて、積善寺に隣接する山にしては景観が損なわれていました。
 今年の日本最大のウォーキング大会である、日本スリーデーマーチが積善寺脇をコースとしたのを良い機会として、思い切ってその山の整備を行いました。
 その山は、本来は武蔵野の雑木林であったので、クヌギの大木があり、手入れをしていなかったので、クヌギの下にはたくさんのヤブツバキやサカキ、アオキ等が生い茂り薄暗く、さらに木々にツタのようなツル植物がたくさん巻きついている状態でした。
 ツバキやサカキを適当な間隔を置いて、かなり短く切り、ツル植物を刈り払い、切った枝は軽トラックで運んで処分しました。朝から始まり、息子と2人で午後3時頃までかかりました。11月にしてはとても暑く、汗が額から流れ落ちる程でした。
 整備が終わった後、日差しが山の地面まで差すようになり、今後の植生の変化が楽しみです。武蔵野の里山の復活です。季節はいよいよ立冬を迎え、本格的な冬が訪れます。来年の春にはいろいろな草花が見られることを心待ちにして過ごしていきたいと思います。


ツインヘッド始動!(2016.10)

 当HPをご愛読の皆様、体調はいかがでしょうか。今年はお盆が終わってから、台風か、雨か、猛暑かの三択しかなく、拙僧も体調を保つのが大変です。お寺 は元来水場の近くに建てられており、湿気が最初からあるのですが、この雨、そして高湿度続きでは、カビを生やさないようにするのが大変でそちらにも悪戦苦 闘しています。毎日いろいろな事がありますが、なんとか風邪や病気にならずに過ごしています。
 さて、先月息子であり、弟子の則田がお蔭さまで比叡山の行院を満行したとお伝えしましたが、数日前、天台座主猊下から9月16日付けの「権律師」の補任 状が届きました。「ごんりっし」と読みますが、これは一番下の階級ではありますが、正式な天台宗の僧侶になったという証です。私も権律師から始まっていま すので、なつかしいやら、よろこばしいやら補任状を見て複雑な心境です。
 比叡山から下山して以来、法事は出来る限り2人で拝んでいます。法事から離れてしまうと、折角比叡山で学んだことを忘れてしまいますし、またいずれ独り 立ちする際にも経験がものをいいます。さすがにまだお布施を頂くことはしておりませんが、日々成長していく姿を見ると安堵の気持ちも生まれてきます。
 さらに、今大学生ですので、自由な時間が多く、掃除や家事等を手伝ってもらっており(この分野も修行で大分学んできています)、非常に連携のとれた2人 暮らしとなっています。法事や日々の生活は「坊主頭」2人で行っています。まさに補任状が届いたとともに、「ツインヘッド」始動です。少しずつ努力を重ね てまいりますので、皆様のご理解・ご協力をお願いします。


ついに満行!(2016.9)

 9月7日。息子であり弟子でもあるそ則田が比叡山の修行を終え、積善寺に戻ってまいりました。前回色々書きましたが、今年のお盆は本当に孤軍奮闘状態 で、心も体もへとへとでした。さらにお盆後8月にお葬式が2つも入り、忙しさは頂点を極めていました。でも一人でお盆や、お葬式をこなせたことは、少しで はありますが自信へと繋がり、自分的な成長もしたと感じています。
 妻の死、息子の修行、娘のアパートへの引っ越し。それは大半は急に起きたことですが、あと3か月ほどで今年も終わります。今年を振り返り「人生は何が起 きるか分からない。でもその出来事を生きている人間は乗り越えなければいけない」ということを身を持って実感しました。これからも大変なことが沢山起きる と思います。しかしそれは避けられない。目をそむけずに真っ直ぐに取り組んで解決したり、うまく乗り越えたりしていかなければならないということが分かり ました。心の中は大きなショックや傷が癒えていないことは事実ですが、前を向いて生きていかなければならない。住職として強く、正しく生きることの大変 さ、大切さを知りました。
 則田が戻り、さらに一人前の僧侶ですので、色々な事が頼め、私としては大助かりです。市役所の仕事や、日々の生活も気持ち的に充実してまいりました。「婚活宣言」もしておりますので、数年以内には伴侶が見つかるといいと思っています。皆様の心の応援をお待ちしています。


ひとりぼっちのお盆(2016.8)

 今年は、妻が極楽に長期旅行に出かけており、また娘も夏休みはお寺で寝泊まりせず、そうして頼みの息子も比叡山に修行に行っており、本当に、「ひとりぼっち」のお盆でした。
 幸いにも今年から新設された「山の日」のおかげで、準備の時間は稼げましたが、何分にも「孤軍奮闘」状態で、巨大な精霊棚の組み立てや飾り付け、兼務寺 も含めての会場準備や法要の用意は忙しいを超えて、本当に生きている心地がしませんでした。さらに今年は妻の新盆なので、新盆の線香立てに来てくれる人も 多く、そちらの対応も非常に忙しく、棚経や他寺での施餓鬼法要の合間の時間もとれず、昼食もままならない状況でした。とはいうものの、妻が「私が手伝えな いので…」と極楽で思ったのか、天候的には涼しく、暑さの負担だけはしなくて済みました。 
 お寺のお盆の準備、境内の清掃片付け、市役所勤務、掃除・洗濯・食事・家事と、とても一人で生活を回していくのは、体力的に限界を感じましたので、積善 寺の檀家総会では「婚活開始宣言」をしてしまいました。悲しみはまだ残り、供養の気持ちも十分にあり、毎日礼拝を欠かしませんが、体がいよいよもたなくな るのは、目に見えています。また今、相手が見つかっても、結婚に至るまでには何年か、かかりますので、積善寺の今後を考えてあえて宣言をさせていただきま した。年老いた両親や、成人している息子、娘もいつまであてになるのかわかりません。極楽へ向かったり、独立して生活したりすることも考えられます。
 息子も間もなく修行から戻ってきます。一人暮らしも、もう終わりです。2倍の力でこれからは突き進んでいきたいとおもいます。将来的には婚活が成功すれば、3倍以上の力になると思います。応援よろしくお願いします。


暑い暑い7月です(2016.7)

  当ホームページをご愛読の方々、お暑うございます。拙僧は暑いのがとても苦手です。またな により法事や葬儀は我々は「厚着」をしなくてはならないもので、暑さがこもってしまいます。厚着の服をぬいでからもしばらく熱がからだに残り、熱中症のよ うな状態が起きてしまいます。
 特に今年の夏は、暑さが1か月早い位に感じ、なにしろ今月の最初の日曜日は35度に迫る暑さで、さらにその時「草刈り」の共同作業だったもので、刈払機 を2時間近く使っていたところ、最後の方は意識が朦朧として、家に戻ってエアコンの冷風を一時間近く当たっていたのですが、体全体がサウナ状態で、半日近 く「ゆでだこ」のような顔になっていました。
 さらに翌週は市役所勤務もしておりますので、参議院の選挙事務でありました。責任者のような立場にありますので、土、日終日、日曜日においては、月曜日の明け方近くまで事務に当たっていましたので、何十年ぶりかに「徹夜」も経験しました。
 さすがに徹夜は40後半の体にはダメージで1週間位調子がもどりませんでした。あとこの「暑さ」も追い打ちをかけています。幸いにも丈夫な体に生まれたものですので、大きな体調不良にはなりませんが、地球温暖化のせいもあるのでしょうが、この暑さは体に堪えます。
 とはいえ、お盆まであと1か月。体調管理に留意して、休み休み進んでまいりたいと思います。だんだんと「寄る年波」には勝てなくなってまいりました。気は若いんですけど(笑)

境内整備に取り組んでます(2016.6)

  積善寺に移り住んで、そろそろ3年が経過しようとしています。山にあるお寺なので「斜面」 に四方を囲まれています。近年のゲリラ豪雨で斜面を流れる水量が多く、本来必要であるべき土が水と一緒に大量に流失してしまうのを目の当たりにしてきまし た。昨年はバレーボール位の石を100個位購入し、斜面の途中に並べて、土砂の流出を防いでいましたが、急な斜面や広い範囲では、個人が行う「にわか工 事」では限界を感じていました。
 そこで、お寺に来てもらっている石材店にご協力をいただき、西側斜面の一帯と東側の急斜面を工事してもらい、土砂の流出を止めました。今まで大雨の度に土砂が流れないか「ヒヤヒヤ」していましたが、これで一安心です。
 話は変わりますが、ここ数年、降雨量に偏りがあり、日照りが続くかと思えばゲリラ豪雨が降り、境内に植えてある百日紅や桑の木の一部が枯れる現象が起き ています。昨年植えつけた「オオゴンマサキ」は毎日のように水くれを行い、枯れるのを防いでいますが、なにしろ毎日のことなので、枯れるかどうか心配で す。実は3年前の庫裏新築時に「マサキ」を植えたのですが、それが1年半で枯れてしまい。オオゴンマサキは2代目です。植え替えに15万円くらいかけてい るので(苗木代だけです。植え替えは自分でやりました)、枯らさないように必死です。
 自然の中に住んでいて、自然と共存しつつ、境内を整備していくのは、勤めをしながらだと大変ですが、これも私に課せられた使命だと思い、日々体を動かしています。


「タケノコ」騒動 (2016.5)

  当HPをご愛読の皆様におかれましては、お元気でお過ごしのこととご拝察いたします。さて、ご承知の方も多かろうと思いますが、当寺には裏手に竹やぶがあり、10mを超えるモウソウチクが約1000uの広さに生えています。
 ここ数年、「竹が枯れる」「竹の成長がイマイチ」等の悩みがあり、幼竹は大事に大事に育てておりました。ところが生える幼竹は満足なものがなく、ひねく れて曲がったり、途中で枯れて失速したり、それも悩みの種でした。結果として竹が茂っている部分と間が空いている部分の差が出て、少しアンバランスな竹や ぶになっていました。
 ところが今年のタケノコについては、「雨後のタケノコ」の諺ではありませんが、雨が比較的多かったもので、次から次から、出るわ出るわ…。「もうかんべ んして」と言うほどタケノコが出ました。太いもの、細いもの、曲がったもの、小さいもの、私が積善寺の竹やぶと遭遇して早40数年。こんなにタケノコが出 た年は記憶がありません。タケノコ好きの知り合いへも「もういらない」と言うほど届けることが出来ました。竹やぶも、竹が均一に生え、理想の形となりそう です。
 しかし…。タケノコの出現は勢いを緩めず、次から次へと出てきて、5月に入ってもどんどん出てきていました。仕方なくもう、後は倒すしかなく、小さいも のから、子どもの背丈ほどのタケノコを含めて、残すタケノコを決めて、その他は片っ端から切り倒しました。今から考えると全部で今年は200本以上はタケ ノコが出たと思います。全身汗だく、手足ガクガク、疲労困憊。
 タケノコのお出ましも、落ち着いてきた今日この頃ですが、本当に自然の力は凄いものだと感心するとともに、タケノコの時期が終わると「雑草」との戦いが 始まります。最近は健康の事も考えて「お酒」も大分控えています。健康な体あっての人生。しっかりと生きていきたいと思います。


「再生」への第一歩 (2016.4)

 平成28年2月17日。22年間生活を共にした妻が逝去しました。48歳という早い旅立ち で、また急性心不全という突然の別れでした。今年に入り胸の苦しさを訴えて、専門病院で検査をしましたが異常なしとのことで普段通りの生活を行っていまし た。亡くなった当日、やはり胸が苦しいということで翌日の朝9時に病院を予約しておりましたところ、夕方母から「救急車を呼んだ、早く帰れ」との連絡があ り、駆けつけた時にはすでに息を引き取っていました。
 葬儀、告別式やその後の弔問にお越しいただいた方、またご心配をいただいた方には心より御礼を申し上げます。多くの皆様にお心遣いをいただきました。私 も妻が亡くなった当初は1週間位食べ物が口から入らず、精神的にも不安定でした。しかし今49日忌を過ぎて、かなり心が安定してきました。私には大学生の 息子と同じく大学生の娘がいます。息子は妻の死の直後に天台宗の総本山である比叡山で修行(前半)を行い、立派に戻ってまいりました。娘も妻の代わりに色 々と家事を手伝ってくれます。隣地に住んでいる父母も心の支え、生活の支えになってくれています。近所や職場、友人、知り合い、檀家様も大変生きる気力を 与えてくれます。
 このような色々な方々の支えにより生きているということが、妻の死によって、あらためて強く実感することができました。色々な方々の死や、葬儀等に関 わっている立場ですが、自分自身の大切な伴侶を亡くすことで、死というのは「終わり」でなく、生きている者、残された者にとっては「始まり」なのだという ことが身を持って理解できました。
 幸い私、料理や掃除洗濯は得意なので、子どもたちも安心して生活できていると思いますが、無理をすることなく、一方で1日も早く元の生活に戻っていきた いと思います。妻が教えてくれた「再生」への第一歩をここで大きく踏み出したいと思います。皆様の応援をよろしくお願いいたします。
※HPの更新が遅れましたことをおわびいたします。


交通安全が一番 (2016.1)

 皆様あけましておめでとうございます。平成も二十八年を迎えました。今年は本当に暖かく穏やかな正月を過ごすことができました。また雨がほとんど降っていないので、乾燥気味です。一昨年のように大雪に見舞われないか少し心配です。
 さて、年末年始のテレビ特番の「衝撃映像」やパソコンの動画サイト等でそれこそ無数に見ることができるのが、交通事故の映像です。中には少し心臓に良く ないのもあり、心が痛みます。ドライブレコーダーや、街角の防犯カメラが普及し発達した結果、色々な状況から克明に事故の映像が記録されているのだと思い ました。
 交通事故というのは本人が少しも悪くなくても、相手の過失や巡りあわせなどで発生しているということが、これらの映像から分かるにつれ、やはり運、不運というのは現象として存在し、その運命は誰にも決められないのだと思いました。
 私は寺の住職として、人々が信仰にすがる姿を、直接近くで目にしています。そしてその信仰の一つである仏の教えを伝えていく役目を務めています。交通事 故に合う確率は、信仰が厚い、薄いとは科学的には無関係でしょうが、これだけ多くの事故が全世界で発生しているのを見ると、やはり何かにすがり、災難から 遠ざかりたいという気持ちが人々の心の中にあるというのが分かります。
 何はともあれ、交通安全が一番です。仏様にすがる気持ちとともに、ハンドルを握る場面では、十分に気を引き締めていたいものです。