住職近況
経りゆくものと流れゆくもの
今年は、3月下旬に一度気温が下がったので、桜のつぼみが開ききるまでの時間が長く、結果と
して花見を長い間楽しめるようになりました。私も多くの人と同じにあちらこちらに花見に出かけました。今年は埼玉県の桜の名所の大宮公園に出かけました。
4月の最初の土曜日であり、天気も良かったせいもあり、大宮駅を降り、西口に向かうと明らかに花見客と見て取れる人々が、群衆となって氷川神社方面に歩い
ていきます。氷川神社の境内も弓道大会も同時に開催されているようで、すれ違うのも大変なほどの混雑でした。
神社を通過し、大宮公園に向かうと今度は露店が多く立ち並び、満開の桜の下、たくさんの花見客がシートをしいて飲食をしていました。混雑を避けるため、
博物館寄りの池のほとりに場所を決め、近くの売店で飲み物とつまみを買って花見を楽しみました。風もなく穏やかな日で、とても快適に花見を楽しむことがで
きました。
帰りがけに漫画博物館や、盆栽博物館を見学し、とても素晴らしい春の1日となりました。「花さそう 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは 我が身なりけ
り」という百人一首の句があります。年老いていくのは我が身という意味ですが、同じに年老いていくにも、時の流れに逆らわず流れていくように、我が身をい
たわって、自然を感じていきたいと思いました。
沙門 尚田 敬白